工場の設備管理はきつい？求人・資格・年収の3つの観点から徹底解説

工場の設備管理はきついと感じる人もいる｜向いていればやりがいのある仕事

工場の設備管理とは、機械設備の点検やメンテナンスを行い、安全に維持管理することです。設備管理の不備は機械の故障やエラーにつながり、生産性低下を招くため、製造業において重要な業務の一つとなっています。

主な工場の設備管理の仕事内容は、以下になります。

• 点検やメンテナンス
• 動作確認や劣化診断
• 故障やエラーの原因究明と修理

そのほかにも工場の清掃や顧客トラブルの対応を行うこともあります。製造業において工場の設備管理はつらいと感じる人がいるようですが、理由には以下のようなことが挙げられます。

• 専門知識やスキルが必要となり、学習コストが必要となる
• 夜勤や宿直があるため不規則な生活になりやすい
• 場合によっては汚れ作業や雑用まで担当しないといけないことがある
• 高所での作業や漏電の点検など、業務を行う上で危険を伴う
• 仕事量に対して年収が少ない傾向にある

ほかにもコミュニケーション能力が求められる、業務上必要となる資格を取得するための勉強が必要などの特徴もあります。工場の設備管理は覚えることが多く、場合によっては夜勤もあるため、きついと感じる人が一定数いるようです。

一方で、工場の設備管理は向いていれば、とてもやりがいのある仕事でもあります。専門職であるため生涯現役で働ける、残業や休日出勤が少ない、ノルマや納期対応の必要がない、などが工場の設備管理の代表的なメリットです。機械設備への関心が高い人や、資格取得でスキルアップを目指したい人に向いています。

工場の設備管理を求人・資格・収入の3つの観点から徹底解説

工場の設備管理の仕事については、求人・資格・収入の観点に着目すると実態が見えてきます。求人・資格・収入のバランスを考慮して、自分と条件が合いそうか判断してみましょう。工場の設備管理を求人・資格・収入の3つの観点から徹底解説します。

工場の設備管理の【求人】は少ないものの需要のある仕事

工場の設備管理の求人状況を大手求人サイトで調査したところ、以下のような結果になりました。

indeed…5,317件
求人ボックス…124,849件
スタンバイ…44,867件

調査概要
検索キーワード：工場　設備管理
検索日：2023年12月
対象エリア：全国
雇用形態：全て（正社員、準社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パート）
その他条件指定：なし

比較対象として、同じく製造業の仕事である「工場　製造オペレーター」の求人も調査したところ、以下のような結果になりました。

indeed…216,766件
求人ボックス…1,040,761件
スタンバイ…133,382件

検索キーワード：工場　製造オペレーター
その他検索概要は全て「工場　設備管理」の求人調査内容と同じ

製造業において製造オペレーター（作業者）の求人に対し、専門性が必要となる工場の設備管理の求人は、比較的少ない傾向にあります。しかし、現代の製造業ではオートメーション化により製造オペレーターは減少傾向にありますが、設備管理の仕事においては今後ますます重要性を増していくとも考えられます。

工場の設備管理の【資格】には「安全管理者」や「自主保全士」がある

工場の設備管理をするのに必要な資格は、企業によって異なります。持っていると役立つ代表的な資格には、以下のようなものがあります。

• 安全管理者…労働現場の安全を守るための資格
  難易度：★★（かんたん）
  厚生労働大臣が定める研修を修了することで取得が可能
• 自主保全士（1級）…保全の一部機能や管理技術に関する知識や技能を評価する民間資格
  難易度：★★★（ふつう）
  検定試験の合格率：2021年49.1％／ 2020年29.8％／ 2019年54.9％
• 電気工事士（第一種）…電気に関わる設備の工事や取り扱いの際に必要な国家資格
  難易度：★★★（ふつう）
  検定試験の合格率：筆記試験50％前後、技能試験60％前後の合格率で推移
• 危険物取扱者（乙4）…消防法に定められた「危険物」を取り扱う際に必要な国家資格
  難易度：★★★（ふつう）
  検定試験の合格率：例年の合格率は30～40％程度
• ボイラー技士（1級）…湯や水蒸気を製造する設備やボイラー装置を取り扱う際に必要な国家資格
  難易度：★★★（ふつう）
  検定試験の合格率：2021年47.7％／2020年50.9％／2019年52.5％
• 冷凍機械責任者（第一種）…冷凍や冷蔵に関わる高圧ガスを取り扱う際に必要な国家資格
  難易度：★★★★（ややむずかしい）
  検定試験の合格率：全科目受験なら約20%~30%、法令だけの受験なら約80%~90%の合格率にて推移
• 消防設備士…施設に設置されている消防設備の点検・整備をする国家資格
  難易度：★★★（ふつう）
  検定試験の合格率：2020年37.2％／2019年33.6％／2018年32.4％と例年30％台にて推移

工場の設備管理に役立つ資格の難易度は未経験者であっても、数ヶ月程度の勉強で取得できるものがほとんどで、一般的に難関資格と言われるものは少ない傾向にあります。

※一部資格には受験条件として実務経験などが求められるものもあります。

また工場の設備管理に役立つ資格の中には、職業訓練によって取得できるものもあります。

例　自主保全士、電気工事士、危険物取扱者　など

職業訓練とは、就職に役立つ知識やスキルを、原則無料で取得できる公的な制度です。求職者全てを対象にした制度で、失業者だけでなく、転職希望者も利用できます。製造業未経験で、工場に設備管理に役立つ資格の取得を考えている人は、職業訓練制度の利用を検討するのもおすすめです。

工場の設備管理の【年収】は平均で約446万円

工場の設備管理の平均年収は、約446万円です。日本の平均年収は約436万円なので、やや高い傾向にあります。

参考出典：https://genbaroo.com/article/incomeplant/

ただし、製造業の年収は、年齢によっても変わってきます。工場の設備管理の仕事も含む、製造業全体の年齢別の平均年収は以下のとおりです。

参考出典：https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/09.pdf

20代…約200〜250万円
30代…約300〜350万円
40代…約400〜450万円
50代…約450〜500万円

製造業では、年齢が上がるにつれて年収も増加する傾向にあります。ただし、工場の設備管理の仕事では、資格の有無が年収を左右する大きな鍵になります。資格の有無によって、扱える機械設備の範囲が多くなり、できることが増えるからです。

つまり、20〜30代の若い人でも、資格を取得していけば資格手当などの恩恵を受け、高い年収を狙える可能性は大いにあります。入社して会社の支援を受けながら資格取得できるケースも多いため、工場の設備管理に興味のある人は、まずは求人に応募してみるのもおすすめです。

工場の設備管理は需要が多いが責任の大きな仕事（まとめ）

工場の設備管理は、大きな責任とやりがいを感じられる仕事です。覚えることが多く夜勤もあるため、きついと感じる人もいますが、向いていれば生涯現役で働ける可能性が高く、離職率は低い傾向にあります。工場の設備管理の求人は決して多い方ではありませんが、これからも需要が続く仕事です。

役立つ資格はとても多く、全体的に難易度が低いため、未経験者でも取得しやすいといえます。工場の設備管理の平均年収は特別高いわけではないものの、製造業全体の傾向として、年齢が上がるごとに年収も増加する可能性が高いです。工場の設備管理に役立つ資格は、職業訓練制度を利用して取得できるものもあるため、転職を検討している人にもおすすめです。

今日のポイント

• 工場の設備管理はきついと感じる人もいるが向いていればやりがいのある仕事
• 工場の設備管理の【求人】は多く、需要のある仕事
• 工場の設備管理の【資格】には「安全管理者」や「自主保全士」などがある
• 工場の設備管理の【年収】は平均で約446万円、若くても資格があれば高収入を狙える