製造業の業務効率アップのためコンサルタントを活用!事前準備・進め方・サポーターの事例について
製造業の業務効率向上のために、コンサルタントを活用しませんか?
コンサルタントの能力を最大限に活用するためには、事前の準備や、コンサルタントを活用したプロジェクトの大まかな流れを把握することが重要です。
今回は、製造業の業務改革プロジェクトを例に、依頼前の事前準備や、コンサルタントによるプロジェクトの進め方をご紹介いたします。
コンテンツ
コンサルタントを活用するための事前準備
業務効率化や生産性の飛躍的向上を目指し、業務改革プロジェクトをお考えではありませんか。
業務改革プロジェクトにおいて、コンサルタントの能力を最大限に活用することは、プロジェクト成果に直結します。コンサルタントの能力を最大限に活用するためには、コンサルタントへの効率的な情報伝達が必要です。
効率的な情報伝達のためには、事前の準備が重要となります。ここでは、コンサルタントへ効率的に情報伝達するための事前準備事項について説明します。
コンサルタントを活用する目的を明確化!
コンサルティングを依頼する目的はどのようなものでしょうか。コンサルタント活用の目的を事前に明らかにしておくことは、成果を確実に得るために重要です。また、コンサルタントの費用対効果を最大限に引き出すことはプロジェクトの投資効率に直結します。
コンサルタント活用にあたり、事前に最低でも以下の点は明らかにする必要があります。
- 業務改革プロジェクトの目的は何か
- 業務改革の成果はどのように測るのか
- どの部分を自社で行い、どこをコンサルタントに依頼するのか
- コンサルティング費用はいくらを見込むのか
また、コンサルタントへの依頼内容が、関係部署を含めて最適な内容となっているかも併せて考える必要があります。コンサルタントは社外のメンバーであるため、関係部署に関する知識は充分ではありません。そのため、依頼された課題に対する部分最適に陥ることがあります。
例えば、以下のような事態により、最終的な製品のスループットが減少してしまった、という本末転倒な事態が発生することも少なくはありません。
改善対象工程の生産量が増えた結果、後工程に仕掛品が大量に滞留して物流を阻害するようになってしまった。
改善対象の業務を事前に整理しよう
コンサルタントは社外のメンバーであるため、自社の詳細業務までは当然ながら把握しきれません。ヒアリング以外にも、より効率的で客観的に業務を把握できるように、以下のような情報があれば事前に整理しておくことが望ましいです。
- 対象業務で使用する指示書などの帳票類
- 生産管理システムから出力した生産実績
- 対象品種や部品表など、製品に関する情報
- 業務日報・作業日報
改善が必要な業務の可視化は、企業にとってもメリットがあります。業務改善のためには、経営者から現場で働く社員まで、業務の現状を認識し、課題や問題点について議論を行う必要があります。そこで大切になるのが、「業務の全体像を把握すること」です。
自分が所属する部署の現状を理解していても、他部署の仕事内容や現状は意外と把握できていないものです。そのため、まずは企業全体の業務プロセスを可視化し、現状を把握することが必要となるのです。そうすることで、複雑な業務プロセスの流れを整理できますし、問題点が洗い出され、改善策も見つけやすくなるでしょう。
また、業務を可視化することで社員のプロジェクトへの参加意識や帰属意識が高まり、企業全体の生産性も向上することが期待できます。
生産計画・現場担当者とのスケジュール調整
対象業務を把握するためのヒアリングや、実際の現場確認は、コンサルタントの役目です。
しかし、ヒアリング対象者への事前連絡や、確認対象業務の日程調整は社内のプロジェクトメンバーが事前に調整する必要があります。
生産計画に合わせてコンサルタントの訪問日を調整することや、現場担当者へのヒアリング依頼は忘れずに実施することが必要です。
見積精度を上げるための準備
プロジェクトの意図や目的がよりわかりやすく伝わるように、業務改革プロジェクトの要点は事前にまとめておくことが望ましいです。
以下の項目を中心に概要レベルで構わないので要点をまとめておくことで、コンサルタントが提出する見積もりや提案内容が高精度となります。
- 業務改革プロジェクトの目的
- 現状課題認識
- 業務コンサルティングを依頼するに至った背景
- コンサルティングを希望する期間
企業・工場ごとに解決したい問題は異なります。その中には、解決に向けて高いスキル・知識が求められる経営課題を抱える企業もあるでしょう。
コンサルティング費用は、高度な経営判断になるほど高額になる傾向があります。経営課題が複雑で難易度が高い場合は多面的な判断が必要となり、それに応えられる情報を提供できるコンサルタントに参画してもらう必要があるからです。
また、ITシステム刷新による業務改善などのように、多くの作業が発生する場合も、参画するコンサルタントの人数が多くなるため、費用が高くなります。
つまり、自社リソースだけでの解決が難しくなればなるほど、コンサル費用は高額になると考えておきましょう。
コンサルティングの進め方・サポートの事例
ここでは、業務改革プロジェクトを例に、コンサルティングの具体的な仕事の進め方・サポート事例を見ていきます。コンサルティングを依頼する前のイメージとして、進め方や流れを把握しておくことは、スムーズなプロジェクト推進に有効です。
担当コンサルタントによる対象業務の把握
担当コンサルタントが対象業務の概要として記された書類やデータを確認します。
また、実際の現場を視察して、対象業務の全体的な業務状況をとらえて行きます。
このプロセスでは、クライアントが抱える問題を整理し、「見える化」することが大きな価値になります。
経験や仮説に基づく重点調査箇所の選定
対象業務全体がある程度把握できた段階で、対象業務の中から特にどの部分を重点的に調査するか、見当をつけます。
どこの工程を重点的に調査するかの判断は、コンサルタントの経験をもとに決められます。
効果的な仮説立案は、限られた期間と予算の中から最大限の効果を引き出すことにつながります。
そのため、プロジェクトの早い段階でいかに適切な仮説を立てることができるかどうかが、コンサルタントの能力の一つといえます。
業務の実態把握・詳細ヒアリング
重点調査個所となった工程を中心に、業務の詳細を確認します。
詳細確認は以下のように、定性情報と定量情報の両面から行われます。
定性情報は、個人による発言や行動など、数量や割合では表現できない情報です。現場担当者のヒアリング、業務手順書、作業標準等から情報を得ることで、新しい理解やヒントにつながります。
一方、定量情報とは、数的データのことです。定量情報は、タイムスタディ、システムデータ分析等から確認することができます。定量調査の大きな役割は、原因や経緯の理解深度はともかく、明快な数値データを可視化できることです。
どのような手法を採用し組み合わせるかは、担当コンサルタントによって異なります。優秀なコンサルタントほど、過剰な情報収集は行わない傾向にあります。
実態分析による仮説の検証
業務の実態把握後は、取得したデータやヒアリング結果を分析し、仮説の検証作業に入ります。
分析の結果、仮説が立証された場合は次の工程に進み、仮説が否定された場合は「重点調査箇所の選定」に戻り再び別の仮説の検討を行います。
また、分析の結果、追加の情報が不足している場合は、再度「業務の実態把握・詳細ヒアリング」の現場調査に戻ります。
対策の検討と効果の見積もり
課題に対する改善ポイントが特定できたら、対策の検討を行います。
併せて、対策によって得られる効果の定性的・定量的評価を行います。
対策の内容が投資を伴う場合は、投資対効果の算定を行うために、金額ベースの効果試算を行います。
業務改革プロジェクトの流れを把握してコンサルタントから最大限の成果を引き出す!
以上、製造業の業務効率向上のため、コンサルタントの能力を最大限活用するための事前準備や、業務改革プロジェクトを例に、コンサルティングの具体的な仕事の流れを説明しました。
事前の準備内容を把握することで、コンサルタントへの情報伝達をスムーズに行うことができ、効率的なプロジェクト推進が可能となります。効率的な情報伝達は、コンサルタントの能力を最大限活用することにもつながります。
また、コンサルタントのノウハウが活きるポイントを予め知ることで、コンサルタントの能力を測ることが可能になります。
あおい技研では、製造業のお客様を対象に改善活動のサポートや業務改革プロジェクトのコンサルティングを承っています。
製鉄・自動車・食品・医薬品・科学系素材など、製造業における診断、視察、意見交換の経験を有しており、幅広いノウハウを活かした業務改善のご提案が可能です。
困ったことがあればいつでも気軽に相談ができる、「企業のかかりつけ医」のような存在を目指しており、現場に足を運び、ともに改善に向けた知恵を絞ることで、お客様一人ひとりに寄り添った改善提案を行います。
現場で見つけた課題は、たとえご依頼いただいた業務の範囲外であったとしても、積極的にご提案させていただくよう心がけています。
日中合わせて80以上のものづくり現場を見てきた経験を活かし、お客様に合った改善提案を行いますので、改善活動や改革プロジェクトの成果を引き出すために、ぜひご活用ください。
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