ERPとは?解決できる課題と選び方をわかりやすく解説

「ERP(イー・アール・ピー)」という言葉を聞いたことはありますか?
これは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、会社のさまざまな業務を一つのシステムで統合・管理する仕組みを指します。
例えば、会社には「販売」「会計」「人事」「在庫管理」といった多様な業務があります。
しかし、これらの情報が個別のシステムやエクセルで管理されていると、情報の入力ミスが増えたり、業務のムダが発生したりすることに。
そこで登場するのが「ERP」です。
ERPを導入すると、会社のあらゆる情報を「一元管理」できるようになり、業務の効率が大幅にアップします。
経営者にとっては会社全体の状況をリアルタイムで把握し、素早い経営判断ができるという点が大きなメリットです。
コンテンツ
こんな悩み、ERPで解決できます
こんなお悩みを感じたことはありませんか?
・情報がバラバラで、何が正しいのかわからない
・業務のムダが多く、時間がかかる
・経営判断に必要なデータがすぐに出てこない
ERPを導入することで、この「あるあるの悩み」を解決できるのです。
情報がバラバラで、何が正しいのかわからない → ERPで「情報を一元管理」
例えば、営業部はエクセルで売上管理、経理は別のシステムで会計処理、在庫は紙の台帳…
このように情報がバラバラだと、データの整合性が取れずミスが発生しやすくなります。
× 昨日の売上データが経理のシステムと合わない
× 最新の在庫数を確認したいのに、どこにあるのかわからない
ERPは、売上・在庫・経理・人事など全ての業務データを一元管理できます。
つまり、各部門で入力したデータがリアルタイムで全社に共有され、「どれが最新のデータ?」という混乱がなくなるのです。
【 ERPはこんな風に解決 】
◎ 売上・在庫・財務データがリアルタイムで更新 → 最新の情報をすぐに確認できる
◎ エクセル管理が不要に → 手作業によるミスや二重入力がなくなる
◎ 全ての情報が統一される → 経営の可視化が進み、判断が正確に
業務のムダが多く、時間がかかる → ERPで「業務を自動化」
人的リソースや時間は有限なので、ムダな作業を減らすことは仕事の基本。
しかし、こんなことが日常になっていませんか?
× 請求書を作るのに、売上データを何回も転記している
× 手作業のミスが多く、やり直しに時間がかかる
ERPには「データの自動連携機能」があります。
一度入力した情報を、他の業務でもそのまま活用できるようになるのです。
限られた人員でもスムーズに業務を回せるようになり、労働時間の短縮につながります。
【 ERPはこんな風に解決 】
◎ 売上データを入力すると、自動で請求書を発行 → 転記作業がゼロに
◎ 受発注データが各部門でリアルタイム共有 → 社内のやり取りが大幅に削減
◎ 経費・給与計算が自動化 → バックオフィス業務の時間を大幅カット
経営判断に必要なデータがすぐに出てこない → ERPで「見える化」
「会社の経営状況をすぐに確認したい」と思っても、必要なデータがすぐに出てこないと、正しい判断ができません。
× 今月の売上はどうなってる? 経理が資料を作るのを待たないと…
× 資金繰りは大丈夫? 最新のキャッシュフローがすぐに見れない…
ERPは、売上・在庫・財務状況をリアルタイムで可視化できます。
最新のデータを探す時間が不要になるため、スピーディーな経営判断・意思決定の助けになります。
【 ERPはこんな風に解決 】
◎ ダッシュボードで売上・利益をリアルタイム表示 → 即座に経営状況を把握できる
◎ 資金繰りを見える化→ キャッシュフローをリアルタイムで管理
◎ 売れ筋商品を分析して早めに対策 → 需要予測をもとに、販売戦略を立てられる
ERPの選び方、3つのポイント
「ERPが便利なのは分かったけど、種類が多すぎてどれを選べばいいの?」
そんな疑問を抱いた方も多いはず。
実は、自社に合ったERPを選ばないとかえって業務が複雑になってしまうことも。
ここでは、ERP選びのポイントを3つ紹介します。
オンプレミス型 vs クラウド型、どちらがいい?
ERPには、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。
それぞれの特徴を知って、自社に合ったものを選びましょう。
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
特徴 | 自社サーバーにERPをインストール | インターネット経由で利用 |
初期費用 | 高い(サーバー・システム導入費用が必要) | 低い(サブスク型の月額料金) |
導入期間 | 数ヶ月~1年以上 | 数週間~数ヶ月 |
カスタマイズ性 | 高い(自由に設定可能) | 低め(標準機能がメイン) |
運用・保守 | 社内で管理する必要あり | ベンダーが管理してくれる |
クラウド型がおすすめのケース
・ITに詳しいスタッフがいない・少ない
・サーバー管理やメンテナンスの手間を減らしたい
・月額料金で気軽に導入したい
導入のしやすさという視点で見ると、管理が楽で初期費用が少ない「クラウド型」がおすすめ。
特に中小企業ではクラウド型のERPを導入する企業が多いため、まずはこちらから始めてみるのも良いでしょう。
オンプレミス型がおすすめのケース
・特殊な業務フローが多く、ERPを自由にカスタマイズしたい
・機密データを社内サーバーで厳重に管理したい
・一度導入すれば、長期的にコストを抑えられる
一方で、オンプレミス型が向いているのは、上記のような企業です。
大規模な企業や、独自の業務プロセスが多い企業は、オンプレミス型の方が柔軟に対応しやすいというメリットがあります。
必要な機能を見極める(全部入りがいいとは限らない)
ERPには「全ての業務をカバーする統合型」と「必要な機能だけ選べるコンポーネント型」があります。
統合型ERP
統合型ERPは、部門間のデータ連携をスムーズにしたり、会社全体のリアルタイムな経営判断ができるのがメリットです。
最初から全ての業務を統合するため、会社全体のデータを一つにまとめたい場合におすすめのERPです。
コンポーネント型ERP
コンポーネント型ERPは、スモールスタートができるのがメリット。
一般的な会計システムや生産管理システムとの違いは、拡張性です。
コンポーネント型ERPであれば、段階的に他の業務のシステムと連携ができる点が特徴です。
まずは「会計管理だけ」など、必要な機能だけ導入したい場合におすすめです。
操作しやすいシステムを選ぶ
ERPは「会社全体で使うシステム」です。
いくら高機能でも、「使いこなせない」「操作が難しい」では意味がありません。
× 社員から「操作が分かりにくい」とクレームが続出
× マニュアルを読んでも、どこを押せばいいのかわからない
こうなると、せっかくのERPも現場で使われなくなってしまいます。
操作のしやすさは、以下の点をチェックしましょう。
・シンプルで直感的な操作ができるか?(マウス操作で簡単に入力できるか?)
・ダッシュボードで必要な情報がすぐに見られるか?
・スマホやタブレットにも対応しているか?
上記のポイントは無料トライアルやデモで実際に触ってみることをおすすめします。
「せっかくERPを導入したのに誰も使わない」という状況を防ぐためにも、社員にとっての使いやすさを大切にしましょう。
ERP導入はなんのため?課題解決ならあおい技研へご相談ください
ERPを導入したいと考えたのは、どんな課題を感じているからでしょうか?
・業務にムダがあって生産性が低い
・データを活用できていない
・経営判断の根拠が不足している
こうした課題を解決するために、ERPは大きな力を発揮します。
しかし、その真価を発揮するには「ERPを入れて、どう業務を改善していくのか?」まで考えることが大切です。
だからこそ、「あおい技研」へご相談ください。
私たち「あおい技研」は、製造業に特化した業務改善コンサルティング会社です。
製鉄や組立て系産業、食品、医療機器、化学系素材など携わってきた現場は80以上。
ものづくりの現場では、それぞれに違った課題や難しさがあるもの。
あおい技研なら「現場・現物・現実」を踏まえて、データ分析を基にした仮説、そこから施策を打ち出せます。
貴社の現場ならではのお悩みを、ぜひお聞かせください。
【実績例】
・労働生産性の向上
・工場構内の物流改善
・各種工程の分析、作業改善のご提案
・熟練作業者のノウハウ可視化、システム要件への落し込み
・製造ライン増設や工場リプレースにかかるレイアウト検討、シミュレーション
まとめ
★ERPは、「販売」「会計」「人事」「在庫管理」などの業務を一元管理するシステム
★導入メリット
・情報を一元管理して、データの混乱や入力ミスを防げる
・業務の自動化により、ムダな作業を減らし、生産性を向上できる
・経営データの可視化によって、迅速で正確な意思決定が可能になる
★ERPの選び方
・クラウド型 vs オンプレミス型
・統合型 vs コンポーネント型
・操作性の高さ
★ERPを導入する目的は、業務改善のため。製造業のお悩みはぜひあおい技研へご相談ください
製造業のDXはあおい技研
株式会社あおい技研は、製造業に特化した業務改善コンサルティングを提供し、製造現場のDX推進をサポートします。80以上の製造現場での診断や改善の経験を活かし、お客様に合ったDX戦略を提案します。
データ分析、業務効率化システムの開発、現場のデジタル化などを通じて、お客様の業務改善と生産性向上を支援します。
製造業のDXについては、あおい技研にご相談ください。
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