【製造業】業務改善にコンサルは必要?チェックリストや相談内容を紹介

現場の改善を、外部のコンサルに頼むべきか、自社で続けるべきか。
費用もかかるだけに、判断に迷う方は多いと思います。
結論から言うと、製造業の業務改善コンサルは、原因を自社だけで特定できないとき、優先順位がつけられないとき、部門をまたぐ調整が必要なときに頼る価値があります。
一方で、課題がはっきりしていて社内で改善を進められる体制があるなら、まずは自社で動いてみるのも一つの手です。
本記事では、製造業の業務改善コンサルとは何かに加えて、コンサルが必要なケース、メリット・デメリット、失敗しないための依頼のコツ、選び方、費用の考え方、依頼の流れまで解説します。
「依頼するか迷っている」という段階の方も、判断材料としてお読みください。
コンテンツ
「製造業の業務改善コンサル」とは?
業務改善コンサルは、製造現場の課題解決を専門とする外部のプロフェッショナルです。
「問題がありそうなのはわかるが、どこが原因かはっきりしない」という状態から入り、分析・改善策の提案・実行支援まで一貫して関わります。
まずは、種類や一般的なコンサルタントとの違いについて見ていきましょう。
製造業におけるコンサルタントの種類
大手戦略系コンサルティングファーム
経営戦略の策定、事業再生、グローバル展開など、経営層が抱えるテーマを得意としています。
ブランド力と高い分析力が強みですが費用は高額になりやすく、現場レベルの改善よりも「会社全体の方向性」を扱うことが多いです。
製造業特化型コンサルティング会社
製造業の現場改善に特化した会社で、5S・IE・TOCなど現場改善の手法に精通しています。
業界特有の事情や現場の言葉を理解しているため、話が早く、実践的な提案を受けやすいのが特徴。現場レベルの課題を解決したい場合に相性がいいタイプです。
特定領域(DX・品質など)専門のコンサル
「IoTを導入したい」「品質管理の仕組みを整えたい」など、解決したいテーマが明確な場合に向いています。
その分野の専門知識は深いものの、現場全体の改善を見てもらうには向かない場合もあります。
独立系コンサルタント
大手メーカーの工場長経験者や、コンサル会社出身者が独立して活動しているケースです。
費用がリーズナブルで動きが早く、信頼できる人物を人づてで見つけられる場合は検討する価値があります。
4つのタイプの違いを表にまとめると、次のとおりです。
| タイプ | 得意な領域 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 大手戦略系 | 経営戦略、事業再生、グローバル展開 | 会社全体の方向性を決めたい | 費用が高額になりやすく、現場の細部までは入りにくい |
| 製造業特化型 | 5S・IE・TOCなどの現場改善 | 現場レベルの課題を解決したい | 会社ごとに得意な業種や支援のスタイルが異なる |
| 特定領域の専門型 | DX、品質管理など | 解決したいテーマが明確 | 現場全体の改善には向かない場合がある |
| 独立系 | 工場運営の経験を活かした改善 | 信頼できる人を人づてで見つけられた | 対応できる範囲や人数に限りがある |
一般的なコンサルとの違い
一般的なコンサルは、経営戦略・組織改革・人事制度・財務・マーケティング・IT導入など会社全体の課題を広く支援します。
一方で製造業の業務改善コンサルは、工場や製造現場で起きている課題に対して工程・作業手順・モノの流れ・在庫管理・品質管理・納期管理などを具体的に見直します。
例えば「利益率を上げたい」という相談の場合、以下のように視点が異なります。
■一般的なコンサル
事業戦略・価格設定・組織体制など広い範囲から考える
■製造業の業務改善コンサル
歩留まりの悪さ・手待ち時間・不良発生・工程間の滞留など現場レベルで考える
このように製造業の業務改善コンサルと一般的なコンサルの違いは、現場の業務プロセスにどこまで踏み込むかにあります。
製造業の業務改善コンサルに相談できる内容
現場の状況によって悩みは様々です。代表的な相談カテゴリを紹介します。
- 生産計画・在庫管理
計画が当日の変更でぶれる、在庫が多すぎる・足りないといった悩みを、計画の立て方や在庫の持ち方から見直す - モノの流れ・レイアウト
工程間で部品が滞留する、置き場が足りないといった悩みを、動線や置き場の配置から見直す - 品質管理
不良が減らない、問題が起きたときに影響範囲をすぐ特定できないといった悩みを、検査の仕組みやロットの追跡から見直す - 設備管理・保全
突発的な設備停止が多い悩みを、点検や保全の計画から見直す - 作業の標準化・人材育成
作業手順が人によって違う、特定の人に作業が集中しているといった悩みを、標準作業や多能工化から見直す - 現場のデジタル化
手書きの日報や帳票の転記など、記録まわりの手間を、電子化やデータ収集の仕組みで減らす
製造業の業務改善コンサルのサービス内容
現状分析と課題の見える化
まず現場を観察し、データやヒアリングをもとに課題を洗い出します。
「部品がどこにあるかわからない」という相談一つとっても、原因は様々。倉庫の置き場が決まっていないのか、現品に何の表示もされていないのか、それとも発注した時点でステータスを追える仕組みがないのか。
こうした原因の切り分けを、現場を見ながら一つずつ確認していきます。社内にいると「いつものこと」で済ませてしまう光景も、外部の目で見ると「なぜこうなっているのか」が見えてくることが多いです。
改善策の立案・実行支援
課題が明らかになったら、次は具体的な改善策を設計します。
ここで重要なのは、「5Sを徹底しましょう」「IEで標準作業をつくりましょう」といった教科書的な提案だけで終わらせないこと。
工場ごとに設備のレイアウトも、扱う製品の特性も、人員の配置も違います。
同じ「モノの流れが悪い」という課題でも、瓶詰めのように人手が多く介在する工程と、大型部品を扱う組立てラインとでは改善のアプローチはまったく異なります。
改善策を考えるだけでなく、実際に現場に入って一緒に動く「実行支援」まで担うコンサルも多くあります。
ノウハウの定着・自走できる組織づくり
コンサル契約が終わったあと、また手書きの日報やExcelの手作業に戻ってしまっては意味がありません。
優れたコンサルは改善のやり方を社内メンバーに伝え、コンサルがいなくても現場が自分たちで運用を続けられるような仕組みをつくります。「教えてもらう」ではなく「一緒に作る」という感覚に近いです。
製造業の業務改善で用いられる手法
現場改善をするために、製造業で用いられる手法をいくつか紹介します。
- 5S
整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つを徹底し、探す・迷うといったムダをなくす基本の取り組み - 動線改善
人や物が動く経路を見直し、移動や運搬のムダを減らす - IE(インダストリアル・エンジニアリング)
作業や工程を分析して、ムダな動きや待ち時間を減らし、標準的な作業方法を設定する - ジャストインタイム(JIT)
必要な物を、必要な量だけ、必要なタイミングで流し、在庫や仕掛品の滞留を減らす - TOC(制約理論)
工程全体の流れを止めているボトルネックを見つけ、そこを優先して改善する考え方
どの手法を使うかは、現場の課題によって変わってきます。「5Sをやりましょう」と手法ありきで進めるのではなく、課題の原因を特定したうえで、現場にフィットするよう調整を加えるのがコンサルの役割です。
自社の課題は、コンサルに相談するレベル?
「コンサルに頼むほどの課題かどうか」と迷う方は多いです。
考え方として、以下のような状況に当てはまるなら相談を検討してもよいでしょう。
コンサルタントへの相談を検討するケース
【ケース1】部門をまたぐ改善が必要
製造業の課題は、生産現場だけで完結しないことがあります。
例えば、納期遅延の原因が設計変更の遅れ・部品調達・営業の受注条件・検査工程の滞留など複数部門にまたがっているケース。この場合、現場だけで改善しても全体最適にはつながりにくいため、外部の視点で業務全体の流れを整理することが有効です。
【ケース2】社内だけでは改善・実行がやりづらい
属人化・部門間の責任の押し付け合い・昔から続く非効率なルールなどは、社内だけでは指摘しにくい課題です。
外部の立場から業務の流れとして可視化することで、特定の人や部門を責めるのではなく「改善すべき仕組み」として話し合いやすくなります。
【ケース3】課題の優先順位がつけられない
在庫過多・不良率・納期遅延・人手不足など課題が複数ある状態で「あれもこれも」と動くのはおすすめできません。思いついた順に改善すると、効果の小さい施策に時間を使ってしまうことがあります。
コンサルを入れることで、どの課題がほかの問題を引き起こしているのかを整理し、着手すべき順番を決めやすくなります。
【ケース4】何が課題かもわからない
「忙しいのに利益が出ない」「納期遅れが続く」「現場が常にバタついている」など、困りごとはあるものの原因がはっきりしないケースです。
この状態で部分的に改善しても根本原因に届かず、別の場所で同じような問題が起きることがあります。
コンサルに相談することで、業務の流れやデータをもとに、どこにボトルネックがあるのかを客観的に確認できます。
まとめると、コンサルが必要なのは単に課題やプロジェクトが大きいケースだけではありません。
自社だけでは原因の特定・優先順位づけ・部門間調整が難しい場合に相談する価値があります。
「うちはまだそこまでじゃない」と思って後回しにしがちですが、課題が深刻になるほど改善のコストも時間もかかります。
人間ドックと同じで、何かが起きてから対処するより早めに現状を確認したほうが結果的にコストは小さくなります。
「相談してみたら、思ったより大した問題じゃなかった」という結果でも構いません。
自社の現状を客観的に把握できること自体に価値があるのです。
「あおい技研」でよくある相談例
製造業専門のコンサルタント「あおい技研」へ寄せられる相談は、IT導入以前の現場改善に関わる内容が多いです。
DXやIoTの話に入る前の、土台づくりが必要な段階のお悩み例を紹介します。
【お悩み1】モノの流れが良くない
「作業は忙しいのに、なぜか生産量が上がらない」という場合、原因は作業スピードではなく、モノの流れにあることが少なくありません。工程間で部品が滞留していないか、置き場から作業場までの動線が長くなっていないかを確認すると、ムダが見えてきます。
現場の動きを実際に観察しながら、どこで流れが止まっているのかを特定します。
【お悩み2】送り先を毎回人手で判断している
製品の送り先や仕分け先を、担当者がその都度判断してボタンを押している状態です。自動化したくても、「どう判断しているか」が担当者の頭の中にしかないと、仕組みに置き換えられません。
改善のため、まず判断のルールを洗い出して言葉にし、そのうえで自動化できる部分を決めていくという流れで進めます。
【お悩み3】日報が手書きで、事務室で入力している
現場で手書きした日報を事務担当が改めて入力する運用は、二度手間になるうえに転記ミスも起こりやすくなります。ただ、いきなりシステムを入れても、記入項目やフローが整理されていなければ現場に定着しません。
「そもそも何のために、どの項目を記録しているのか」から見直し、入力の手間が減る形に項目を絞り込んだうえで、電子化を検討します。
【チェックリスト】現場の課題はどこにある?10項目でセルフチェック
ここまで読んで、「うちの現場は、今どのあたりにいるのだろう」と気になった方もいるかもしれません。
あおい技研の工場診断では、10のカテゴリごとに、現場の状態を5つの段階で判定します。
ここでは、その入口にあたる「1段階目(初期段階)」と「2段階目(繰返し可能段階)」の状態を、カテゴリごとに並べました。
それぞれのカテゴリで、自社の現場に近いほうを選んでみてください。
なお、需要を予測して作り置きする「見込み生産」の現場でよく見られる状態をもとにしているため、「受注生産」が中心の場合は、近い状態がないかという目で見てください。
| カテゴリ | 1段階目に近い状態 | 2段階目に近い状態 |
|---|---|---|
| 計画・スケジューリング | 需要予測が前年実績をならした程度で、基準の在庫を超えてから慌てて増産や停止をする | 週ごとの計画を日々の実績で補正して運用し、計画どおりに進んだかを数値で確認している |
| 資材・在庫 | 原材料をとりあえず多めに発注して倉庫が満杯になり、長く動いていない在庫を判別できない | 置き場所のルールがそろって棚卸の差異が減り、在庫が何日分あるかを数値で確認している |
| 製造プロセス実行 | 段取り替えの順序が毎回変わり、作業手順も人によってバラバラになっている | 主要なラインで1回に作る量の標準を決め、ライン間の作業量のバランスを毎週見直している |
| 品質管理 | 工程の途中で不具合品を見分ける検査がなく、ロット番号や製造日時も手書きで、問題が起きたときに影響範囲を特定できない | 工程の途中でも検査を行い、ロット番号をバーコードで印字して、回収対象をすぐに特定できる |
| 設備・保全 | 同じ品種を長時間続けて作るため設備の疲労が偏り、突発的な停止がしばしば起こる | 一定期間ごとの点検や部品交換を週次・月次で計画し、突発的な停止が減っている |
| データ・情報管理 | 在庫や実績を、倉庫担当と生産管理担当が別々のExcelで二重に管理している | 在庫や実績を記録する様式が全部門で共通になり、日次の集計を自動化して転記作業をなくしている |
| 人員・組織 | よく売れる製品に人が張り付き、休暇のときの代わりの人員が足りない | 誰がどの作業をできるかを一覧にして、複数の作業をこなせる人を増やしている |
| サプライチェーン・外部依存 | 販売部門と生産部門の情報共有が月次の会議だけで、発注は前年同月の実績を基準にしている | 主要な仕入先の納期を守れたかどうかを、毎月確認している |
| 安全・法令順守 | パレットの積みすぎで通路がふさがれ、フォークリフトの接触事故が起きている。高所ラックの安全教育もできていない | 職場ごとの危険予知ミーティングを月1回以上開いている |
| コスト・財務 | 在庫の回転が遅く、期末に在庫の評価損が大きく出る。納期前の追い込み増産が恒例になっている | 計画と実際のコストの差を月ごとに分析し、追い込み増産にかかったコストを見える化している |
チェック結果の見方
各カテゴリで1段階目に近い状態であるほど、現場の弱点です。
なかでも注目したいのは、計画・スケジューリング、資材・在庫、製造プロセス実行、データ・情報管理の4つ。ほかのカテゴリを支える土台にあたるため、この4つのうち最も低い段階が、現場全体の現在地の目安になります。
弱点が多い場合、すべてを一度に直すことはしません。
まずは土台の4つを含めて、差が大きいと感じるカテゴリの上位3つから手を付けていきましょう。
まず目指したいのは「3段階目」
あおい技研では、現場改善の最初のゴールを3段階目(定義済み段階)に置いています。
4段階目や5段階目をいきなり目指すのではなく、まず3段階目を目指すのは、順序が大切だからです。
3段階目は、全拠点で共通のルールや用語、指標が決まり、部門をまたぐ改善活動が日常の業務として回っている状態です。記録の様式がそろい、進捗や品質、稼働の状況が見えるため、部門が違っても同じ指標で意思決定ができるようになります。
一方、その先の4段階目はIoTやAIでデータを統合し、予測や自動化まで行う段階です。ただし、土台が整わないままIoTやAIを導入しても、データや帳票が増えるだけで、かえって判断が遅くなりがちです。
逆に、3段階目の土台が固まっていれば、自動収集や予測といった投資の効果も出やすくなるのです。
そのため「何から始めるか」で迷ったときは、まず3段階目を目標に設定して改善を進めていきます。
あおい技研の工場診断では、10のカテゴリについて現場を確認したうえで5段階評価するため、どこが弱く、何が足止めになっているかまで確認できます。そのうえで、3段階目に向けた進め方もご提案いたします。
1段階目に近いカテゴリが多かった方や、判断に迷うカテゴリがあった方は、1~3日のお試し工場診断を受けてみるのはいかがでしょうか。
製造業で業務改善コンサルへ依頼するメリット・デメリット
メリット
客観的な視点で根本課題を発見できる
毎日同じ環境で仕事をしていると、非効率な状態が「当たり前」になってしまいがちです。
「うちは昔からこのやり方だから」という空気が、改善の入口を塞いでしまうことも少なくないでしょう。
外部のコンサルは、そうした社内の常識に縛られていません。
第三者の目で現場を見ることで、内側にいると気づきにくい「本当の原因」を掘り起こしてくれます。
専門ノウハウをショートカットで活用できる
自社だけで改善手法を学び、試行錯誤を繰り返すのは時間とコストがかかります。
コンサルは多くの現場を見てきた経験から、課題解決の引き出しを持っています。「他業種でうまくいった事例を自社に応用する」ような知見の使い方は、外部の専門家ならではです。
社内だけでは動かせない改革が前に進む
「改善が必要なのはわかっているが、動けない」という状況は珍しくありません。
複数の部門にまたがる課題は特に、誰が音頭を取るかが曖昧になりやすいものです。
コンサルは客観的なデータを「共通言語」として、経営層から現場担当者まで話を整理してくれます。
社内だけでは難しいコミュニケーションを動かす、潤滑油のような役割を果たしてくれます。
デメリット
コンサルティング費用が発生する
当然ながら、専門家に頼むにはコストがかかります。
ただし「高い」か「安い」かではなく、投資した費用に見合うリターンが得られるかどうかで判断するのが正しい見方です。
依存しすぎると自走できなくなるリスクがある
コンサルに任せきりにすると、契約終了後に改善活動が止まってしまうことがあります。
「代わりにやってもらう人」ではなく「一緒に考えて教えてくれるコーチ」という意識で関わることが重要です。
現場から反発が起きることがある
外部の人間が入ってきて今のやり方を変えようとすると、ベテラン社員を中心に「なぜ変える必要があるのか」という反発が生まれる可能性があります。
「なぜ改善が必要なのか」を現場に丁寧に伝える姿勢が、社内コミュニケーションの要です。
製造業の業務改善コンサルで失敗しないためには
コンサルを入れたのに成果が出なかった。そんなケースには、いくつかの共通パターンがあります。
依頼する前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
目的とKPIが決まらないまま始めてしまう
「現場を良くしたい」という思いだけで動き出すと、何を成果とするかが決まらないまま改善活動が進んでしまいます。
例えば、5Sや動線の見直しに取り組んだものの、成功の基準を決めていなかったとします。半年後に「きれいにはなったが、納期や生産性に効いているのかはわからない」という状態になり、続けるべきか、やめるべきかの判断もできません。
コンサルに依頼する場合も、提案が一般論にとどまったり、成果をどう測るかで揉めたりする原因になります。
この問題を避けるには、「何がどうなれば成功か」を、測れる指標とセットで一言にしておくことです。
例えば「納期遅延を月10件から3件に減らす」「製品を探す時間を半分にする」といった形です。最初は大まかな目標でも構いません。細かい数値は、現状を測ってから詰めても遅くありません。
目標の定め方を初回相談で一緒に整理してくれるコンサルタントもいるので、まずは困っていることを伝えるところから始めてみましょう。
ITやツールを先に入れてしまう
「システムを入れれば解決する」と考えて先に導入しても、現場で使われなければ成果は出ません。
生産管理システムを入れたにもかかわらず現場では従来のExcelが手放せず、結局二重管理になる、といったケースが典型でしょう。
原因はシステムではなく、「どの情報を、誰が、どの順で記録するか」という業務のルールが整理されていないことにあります。
これを避けるには、ツールの選定より先に、業務の流れと記録のルールを整えることです。
ルールが固まっていれば、使うツールがExcelでもシステムでも現場に定着しやすくなります。DXやIoTに取り組みたい場合も、この順番は変わりません。
経営層と現場で課題認識がズレている
経営層は「利益率を上げたい」と考えていて、現場は「人手が足りなくて回らない」と感じている、といった立場の違いによる課題認識のズレはよくあります。この状態のまま進めると、改善提案を現場に示しても反発を招きかねません。
コンサルへの依頼前に経営層と現場の双方から困っていることを聞き出し、会社としての優先順位や改善方針を固めましょう。合意に至らない場合は、客観的なデータとして工場診断の結果を共通の材料にしてすり合わせる方法もあります。
製造業の業務改善コンサルの選び方
コンサル会社は数が多く、得意分野も支援のスタイルも異なります。
依頼先を比較する際は以下4つの観点で確認すると、自社に合うかどうかが判断しやすくなります。
製造業の現場に精通しているか
現場の言葉や工程の流れを理解していないと、課題の本質を捉えた提案になりにくくなります。
確認するポイントは、製造業の改善に携わった経験や、対応してきた業種・工程です。製造業のなかでも得意な領域がコンサルタントによって異なるケースも珍しくありません。自社に近い業種や課題の実績があるか確認しましょう。
テンプレート提案ではなく現場を見て提案してくれるか
「5Sを徹底しましょう」「この方式を導入しましょう」といった教科書的な提案が、現場にそっくりそのまま当てはまることは少ないものです。
初回の打ち合わせの段階で、現場を見る前から答えを決めていないかに注目すると、提案の姿勢が見えてきます。実際の現場を見て、ヒアリングしたうえで提案するスタイルなら、課題に合った改善策が期待できます。
現場への介入度はどのくらいか
案件の規模によってもコンサルタントの入り込み度は変わってきます。人手が足りず、現場だけで改善を進める余力がない場合には実行支援まで含めて対応できるコンサルタントが心強い存在。どこまで現場に入ってくれるのか(週の半分なのか、週1回の伴走なのか、レポートのみなのか)を打ち合わせで確認しましょう。
初回相談や診断の条件がわかりやすいか
初回相談が無料かどうか、現場診断に費用がかかるのかなど報酬に関わる条件が事前に説明されているかも要チェックです。不明瞭な点は、相談の時点で遠慮せずに質問しましょう。
製造業の業務改善コンサルの費用は?
費用は「何をどこまで支援してもらうか」で決まる
製造業の業務改善コンサルの費用は、多くの場合Webサイトには公開されていません。情報を隠しているわけではなく、費用が「何を・どこまで・どれくらいの期間支援するか」によって大きく変わるためです。
費用に影響しやすいポイントは以下の4点です。
- 関わり方の濃さ:週の半分ほど現場に入る/月1回の伴走/レポートのみ など
- 支援の範囲:特定の工程/工場全体/複数拠点 など
- 実行支援の有無:提案まで/現場に入って改善の実行まで担う
- 支援の期間:数ヶ月の短期/中長期の伴走
そのため、一概に「○○円」とは言えないのが実情です。依頼する際は、予算を伝えたうえで相談し、見積もりを依頼しましょう。
料金体系の種類
料金体系は、大きく分けると以下3つのタイプがあります。
顧問契約型
月額定額で継続的な支援を受けるタイプです。
月1〜2回の定例ミーティングや現場訪問を通じて、中長期的な視点で改善を進めたい場合に向いています。
プロジェクト型
「3ヶ月でこの課題を解決する」と期間とゴールを決めて取り組む形式です。
明確な課題があり、短期間で成果を出したい場合に適しています。
成果報酬型
改善によって得られた経済的成果の一部を報酬として支払う形式です。
初期投資を抑えられる反面、成果の定義と測定方法をあらかじめ明確に決めておく必要があります。
まずは相談・診断から費用感を確認するのが一般的
具体的な費用感を知りたい場合は、まず相談や現場診断を通じて、自社の課題と必要な支援範囲を明確にすることが先決です。
多くのコンサルティング会社では、初回相談や現場診断を無料または低コストで受け付けています。「何から始めればいいかわからない」という段階でも、まず相談してみることが改善の第一歩です。
業務改善コンサルに依頼する流れ
1. 初回相談
まずは現状の課題や「こうしたい」という目標をコンサルタントに伝えます。
多くの会社ではオンラインでの初回相談を無料で受け付けています。この段階では課題が整理されていなくても問題ありません。「なんとなく困っている」という状態でも、話すことで輪郭がはっきりしてきます。
2. 現場診断・ヒアリング
初回相談の後、実際に現場へ訪問します。作業の流れ・モノの動き・設備のレイアウトなどを観察しながら、現場担当者へのヒアリングも行います。
3. 課題の整理・改善提案
現場診断の結果をもとに、課題の根本原因を整理して具体的な改善策を提案します。「何が問題で、どう変えるか」が明確になった状態で、改善の方向性と進め方を共有します。
4. 改善の実行・定例ミーティング
計画に沿って、現場スタッフとコンサルタントが一体となって改善を進めます。
定期的なミーティングで進捗を確認しながら、状況に応じて計画を柔軟に調整していきます。
5. 効果測定・ノウハウの定着
改善の成果を数値で確認し、設定した目標の達成度を評価します。
あわせて、コンサル終了後も現場が自走できるよう、改善のノウハウを社内に根付かせる仕組みを整えます。
あおい技研の場合は、オンラインでの初回相談のあと、2回目に現地を訪問して工場診断を行い、その後にレポートと改善提案をお渡しする流れです。
工場診断のお問い合わせには、原則として1営業日以内にご返信しています。ぜひお問い合わせください。
【製造業特化型】業務改善コンサルタントなら「あおい技研」
あおい技研は、製造業に特化した業務改善コンサルティングを行っています。
製鉄・自動車部品・建材・食品・化学系素材など幅広い業種の現場改善を手がけてきました。
中でも、人手が多く介在する瓶詰めなどの下流工程や、重量物を扱う建材系、完成車メーカーの生産方式が及びにくい自動車部品の領域など、現場に入って初めて見える改善余地が大きい分野を得意としています。
特に大切にしているのは、「製造業のかかりつけ医」という考え方です。
「コンサルに頼むのは敷居が高い」と感じている中小・中堅の会社さまにとって気軽に相談できる存在でありたい、というスタンスで支援を行っています。
また、あおい技研は「○○方式を導入してください」というテンプレ提案を行いません。業種が異なれば、工場の設備も、モノの動かし方も、人の配置も全く違うためです。
現場を見たうえで、その企業の課題に合ったジャストな提案をすることを何より大切にしています。
お試し工場診断の内容
あおい技研の工場診断では、現場を見たうえで生産管理成熟度モデルを用いて現状を評価します。これは生産管理を10のカテゴリ×5つの段階で判定する指標です。
10のカテゴリ
- 計画・スケジューリング
- 資材・在庫
- 製造プロセス実行
- 品質管理
- 設備・保全
- データ・情報管理
- 人員・組織
- サプライチェーン・外部依存
- 安全・法令順守
- コスト・財務
5つの段階
上記の10カテゴリそれぞれについて、「初期段階」から「最適化段階」までの5段階のどこにいるかを判定します。
1段階目(初期段階)
日々の生産が火消し型で、手順や指標がほとんど決まっておらず、成果が個人の経験に頼っている状態です。
納期遅れや品質のばらつきが起きても、原因を追えません。
2段階目(繰返し可能段階)
計画と実績の確認ができていて、同じ条件なら同じ成果を出せる状態です。
ただし、部門間の連携や、異常が起きたときの対応は弱いままです。
3段階目(定義済み段階)
全拠点で共通のルールや用語、指標が決まり、手順書の管理や教育の仕組み、誰がどの作業をできるかを整理した技能マップも整っている状態です。
進捗や品質、稼働の状況がシステムで見えるようになり、部門をまたぐ改善活動が日常の業務として回ります。
先ほどのセルフチェックで触れたとおり、あおい技研が最初のゴールに置いているのが、この段階です。
4段階目(定量管理段階)
IoTなどでデータを統合し、品質・コスト・納期をデータにもとづいて管理する状態です。
AIによる設備故障や歩留まりの予測、生産スケジュールの自動作成が実際に動き、工程から取引先までの指標がリアルタイムで見えて、投資の効果も数字で評価できます。
5段階目(最適化段階)
システムが計画・実行・改善のサイクルを回し続け、人は新規事業や工程の革新に集中できる状態です。
設計から製造、保守、リサイクルまでがデジタルでつながり、「試して、失敗から学び、標準にする」ことが日常になっているため、改善のスピードそのものが強みになります。
診断結果について
レーダーチャートやカテゴリごとの評価表など、指標を用いて診断します。
例えば、「設備の点検は整っているのに、品質のチェックは担当者任せになっている」といったようなカテゴリごとの強みと弱みの凹凸がわかります。
さらに、次の段階へ進むうえで何が足止めになっているかも示します。
「生産実績は毎日記録しているのに、『これくらいなら正常』という基準値がない」という状態なら、ずれが起きても気づけず、改善が始まりません。
このように、記録はあるのに改善につながっていない原因まで特定しやすくなるほか、経営層と現場の両者が指標を元に会話できるため「何から始めるか」の合意も取りやすくなります。
お試し工場診断は「基本無料」
あおい技研の工場診断は基本無料で実施しています。
まず話してみて、そのうえで現場を見てもらうという流れなので「いきなり大きな契約をしなければいけない」という心配はありませんのでご安心ください。
工場診断の項目や流れ、よくあるご相談内容は以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひお読みください。
あおい技研の業務改善事例
【建材製造】製品置き場の効率化で必要投資額を21%削減
■お悩み
道路用建材の製造を行うA社では、ライン増設にあたって製品置き場の過不足を把握したいというお悩みがありました。
「各品種の製品置き場が足りているのか」「外部倉庫が必要になるとしたらどれくらいの広さか」が不明とのことです。
■あおい技研のアクション
初回打ち合わせ後に現場を視察し、品種ごとに必要な置き場面積をシミュレーションしました。不足が見込まれる品種と、改善余地のある品種を特定して、改善提案を行いました。
■結果
当初は約500平方メートルの置き場不足が予想されていたところ、改善策の実施により最大約250平方メートルの余剰置き場を確保できる見通しが立ちました。
必要投資額は当初比で21%の削減につながっています。
【大型機械組立て】購入部品のステータス回答時間を70%削減
■お悩み
大型装置の組立てを行うB社では、購入部品のステータス管理に課題がありました。
発注はExcelベースで行われており、いつ納品されたのか・どのラインで使用するのか・誰が持ち出したのかをすぐに把握できない状態。製造ラインから問い合わせがあるたびに確認に時間がかかっていました。
■あおい技研のアクション
発注時に部品番号を自動採番する仕組みを導入して、発注から納品・組付けまでの状態が即時に確認できるような体制を整備しました。
■結果
部品ステータスの回答にかかる時間は70%削減。「どこにあるかわからない」「誰が持ち出したかわからない」という現場の混乱も解消されています。
製造業の業務改善コンサルに関するよくある質問
中小企業もコンサルタントを依頼できますか?
もちろん依頼できます。
課題が整理できていなくても、初回相談で一緒に整理してくれるコンサルタントは多いので、まずは現状の困りごとを伝えてみてください。
初回相談は無料ですか?
コンサルティング会社によって異なります。
あおい技研では、オンラインでの初回相談を無料で行っています。お気軽にお問い合わせください。
コンサルタントの費用はどのくらいですか?
課題の範囲や関わり方によって変わるため、一律の目安はありません。
初回相談で課題と目標、対象範囲、予算を伝えることで自社に合った提案を受けられます。
また、短期間で成果を出したいのか、中長期で定着まで支援してほしいのかによっても費用が変わってきます。
まとめ
製造業の業務改善コンサルは、工場や現場業務の課題を見える化し、改善策の立案から実行・定着までを支援する専門家です。製造業では工程・在庫・品質・購買・物流・帳票管理など多くの業務がつながっているため、社内だけでは根本原因を見つけにくいことがあります。
外部のコンサルを活用することで、客観的な視点から課題を整理し、現場に合った改善策を進めやすくなります。費用や進め方が気になるなら、まずは無料の初回相談や工場診断から始めてみることをおすすめします。
製造業専門のコンサルタントあおい技研では、気軽に相談できる「かかりつけ医」として、どんな小さな悩みでも受け付けています。
「改善する必要はあるが、何から手をつければいいかわからない」
そんな状態からでも大丈夫です。ぜひご相談ください。
製造業のDXはあおい技研
株式会社あおい技研は、製造業に特化した業務改善コンサルティングを提供し、製造現場のDX推進をサポートします。80以上の製造現場での診断や改善の経験を活かし、お客様に合ったDX戦略を提案します。
データ分析、業務効率化システムの開発、現場のデジタル化などを通じて、お客様の業務改善と生産性向上を支援します。
製造業のDXについては、あおい技研にご相談ください。
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