改善のフレームワーク7選|ECRSやKPTなど役立つアイデアを初心者向けに徹底解説
改善のフレームワークとは、問題解消に役立つ枠組みや考え方のことです。
改善活動にフレームワークを活用すれば、
- 問題を洗い出しやすくなる
- 取り組むべきことが明確になる
- 無駄な思考時間を短縮できる
など、メリットがたくさんあります。問題を可視化して共有しやすくなるため、チームで改善活動が進みやすくなるのも強みです。今回は、改善のフレームワーク7選(ECRSやKPTなど)を紹介します。改善のフレームワークを活用するメリットも解説するため、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
改善のフレームワーク7選|ECRSやKPT
改善のフレームワークの代表的なものには、「ECRS」や「KPT」があります。
聴き馴染みのない人も多いと思いますが、どちらも製造業の改善活動において、よく活用されているフレームワークです。「ECRS」や「KPT」を含む、改善のフレームワーク7選を紹介します。
業務改善の順番が明確になる「ECRS」
ECRS(イクルス)とは、業務改善の手順を示してくれるフレームワークです。
以下の4つの要素から構成されています。
- Eliminate:排除…業務をなくす
- Combine:結合…業務をまとめる
- Rearrange:交換…業務の順番や場所を入れ替える
- Simplify:簡素化…業務をシンプルにする
ECRSでは、「業務の排除」→「結合」→「交換」→「簡素化できないか」この手順で検討することを推奨しています。得られる成果の大きさ順に並べられいるため、従えば適切な優先順位で、改善を進められるのが特徴です。
問題をシンプルに可視化できる「KPT」
KPT(ケプト)とは、振り返りと新たな課題発見ができるフレームワークです。
以下の3つの要素から構成されています。
- Keep…成果が出ていて継続すること
- Problem…失敗したことや改善するべき問題点
- Try…結果を受けて新たに挑戦したいこと
KPTでは、改善活動を振り返って、良かった点と悪かった点を明確にできます。ただ振り返るだけでなく、結果を受けて新たな課題発見もできるのがメリットです。
業務フローを図式化して問題を洗い出せる「BPMN」
BPMN(ビジネスプロセスモデリング)とは、ビジネスプロセスの流れを図式化できる表記法のことです。国際基準(ISO19510)によって定められた文法を用いるため、誰が見ても同じ共通認識を得られるのが特徴になっています。
BPMNでは、決まった図形や矢印などを使って、
- どの工程を誰が担当するのか
- どの部署に許可申請を出せばいいのか
などを、ひと目でわかるようにします。業務フローをわかりやすく図式化して、問題を洗い出せるのが特徴です。
改善点を論理的に分析できる「MECE」
MECE(ミーシー)とは、「モレなく、ダブりなく」論理的な分析ができるフレームワークです。改善活動を行う前には、問題の洗い出しを行います。ただ、問題の洗い出しを行って改善点を探し出すとき、論理的思考ができていないと、どうしても分析内容にモレやダブりが生じてしまうものです。
MECEは、お互いに重複せず、全体に漏れがない考え方を指します。改善点を分析するときにこの思考を意識すると、より正確な結果を出せるようになるのがメリットです。
業務改善のタスク整理ができる「5W2H」
5W2Hとは、7つの観点で業務改善の内容を整理できるフレームワークです。
5W2Hは、以下の7つの要素から構成されています。
- Who:誰が
- What:何を
- When:いつ
- Where:どこで
- Why:なぜ
- How:どのように
- How much:いくらで
この7つの観点を意識すると、業務改善のタスク整理がスムーズになります。具体的にどう取り組めばいいのか、明確になるのが特徴です。
課題の現状と改善方法がわかる「4象限マトリクス」
4象限マトリクスとは、4つのエリアで現状と改善方法を図式化できるフレームワークです。横軸と縦軸を、それぞれの中心点で交差させた図式になります。
4象限マトリクスでは、対象物が複数の中のどのカテゴリーに分類されるのか、可視化できます。課題の現状、緊急性、優先順位などが可視化されるため、改善方法がわかりやすくなります。
付加価値と問題点が明確になる「バリューチェーン分析」
バリューチェーン分析とは、どの工程でどの付加価値が生み出されているかがわかる、フレームワークです。業務フローを左から右に流れるように図式化し、工程ごとに細分化します。付加価値が生まれている作業と、そうでない箇所が明確になるため、課題や問題点もわかるのが特徴です。
改善のフレームワークを活用するメリット
改善のフレームワークを活用すると、思わぬ閃きや気づきを得られることがあります。製造業において改善活動を検討するときは、ぜひ活用したい手法です。ここでは改善のフレームワークを活用するメリットを解説します。
無駄な時間を短縮できる
改善のフレームワークを活用すると、問題の洗い出しや改善案の抽出が効率的になります。思考時間を短縮できるため、無駄な時間を削減できるのが大きなメリットです。さまざまな角度から思考することで、思いもよらぬ改善策が見つかることもあります。
問題が可視化して共有しやすくなる
改善フレームワークの大きな特徴は、問題を可視化できることです。問題が可視化すれば、従業員間での情報共有もしやすくなります。共通認識をもって改善活動を行うことで、活動がスムーズになります。
問題解決の手順が明確になる
改善のフレームワークを活用すると、問題解決の具体的な手順も明確になります。いつ、誰が、何を、どのように進めていくのがわかるため、改善活動が取り組みやすくなり、目的意識をもって改善活動を進めることが出来るようになります。
改善のフレームワークは現場の状況に応じて活用しよう(まとめ)
改善のフレームワークは、種類がたくさんあります。今回は「ECRS」や「KPT」など、製造業の現場で役立つ代表的なものを紹介しました。改善のフレームワークを活用するときは、現場の状況や課題に合わせて手法を選ぶことが大切です。
改善活動を行うにあたって、何を分析したいのかを明確にするようにしましょう。改善のフレームワークを活用すると、無駄な思考時間を短縮でき、問題が可視化して共有しやすくなります。問題解決の手順が明確になるため、従業員の立場を問わず、同じ共通認識を持って取り組めるのもメリットです。
今日のポイント
- 改善のフレームワークとは問題解消に役立つ枠組みや考え方のこと
- 改善のフレームワーク7選は「ECRS」、「KPT」、「BPMN」、「MECE」、「5W2H」、「4象限マトリクス」、「バリューチェーン分析」
- 改善のフレームワークを活用するメリットは無駄な時間を短縮でき、問題が可視化して共有しやすくなり、問題解決の手順が明確になること
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