外部コンサルタントとは?内部との違いやメリット・デメリット

「外部コンサルを入れようと思ってるんだけど、どう思う?」
会議でそんな話が出たことはありませんか?
「外から人を呼ぶなんて大げさ」と思うかもしれませんが、企業の変革や課題解決において、外部コンサルタントの活用は珍しいものではありません。
本記事では、外部コンサルタントとはどんな存在なのか、社内人材との違い、メリット・デメリットを紹介します。
コンテンツ
外部コンサルタントとは
何をする?
外部コンサルタントは、企業に対して外部から専門的な知見をもとにアドバイスや実行支援を行います。
経営戦略や人材育成、業務改善、IT導入など企業の課題に応じて対応する範囲は様々。
例えば、「売上が伸び悩んでいる」という課題に対して原因を分析し、マーケティング戦略を立てたり、新しい事業モデルを提案したりするのがコンサルタントの役割です。
企業の「頭脳」として、上層部の意思決定をサポートする存在でもあります。
なぜ外部から呼ぶ必要がある?
端的に言うと「社内からは見えなかったことに気づかせてくれる」ため。
企業内部には詳しい人がいても「当たり前」に慣れすぎていたり、しがらみや利害関係があることで、根本的な課題に踏み込めないことがあります。
外部の人間だからこそ、フラットな立場で現状を見て、第三者視点から客観的に意見を出せるのです。
さらに、最新の業界トレンドや他社事例を持っていたり、特定分野に特化した知識・ノウハウを提供できるのも外部コンサルならでは。
特にスピード感が求められる場面では、社内でゼロから調査・検討するより、外部のプロに任せたほうがスムーズなこともあります。
外部があるなら内部もある?
「社内コンサルタント」というポジションを設けている企業もあります。
社内のスタッフや経営企画が「内部コンサルタント」として機能している例です。
内部コンサルタントの場合は、自社の文化やパワーバランスを熟知しているため、提案が実行されやすいのがメリット。
反面、斬新さや客観性では外部に劣ることもあります。
一方で外部は、専門知識と客観性に強いのが強みですが、社内事情をつかむまでにある程度時間が必要です。
外部が戦略を描き、内部が日常運用に落とし込むなど上手く連携をとることで、良い相乗効果を生みやすくなります。
外部コンサルタントの種類
外部コンサルタントは、ニーズに合わせ非常に多種多様な種類があります。
ここでは、大きく分けて「総合系」「機能特化」「業界・企業タイプ特化」の3つのカテゴリに分類して紹介します。
総合系
■総合系コンサルティング
総合系コンサルティングは、経営戦略からIT導入、人材育成、業務改善まで幅広い分野を横断的にサポートするタイプのコンサルです。
アクセンチュアやデロイトなど、いわゆる大手コンサルファームが該当し、企業の全体戦略を描くフェーズから現場への落とし込みまで、包括的に支援できるのが特徴です。
課題が複雑に絡み合っているような大企業や、複数部署をまたぐようなプロジェクトに強みを持っています。
機能特化系
■戦略系コンサルティング
■IT系コンサルティング
■DXコンサルティング
■組織人事コンサルティング
■財務アドバイザリー系コンサルティング
■企業再生・事業再生系コンサルティング
■監査法人系コンサルティング
機能特化型のコンサルティングは「何をどう変えるか」に応じて専門分野が分かれているのが特徴です。
例えば、成長戦略を考えるなら戦略系、システム導入ならIT系、組織改革なら人事系というように、それぞれの課題に応じてプロフェッショナルが対応します。
DXコンサルは「IT+業務改革」のような立ち位置で、単なるシステム導入ではなくビジネスモデル全体の変革まで踏み込むのが特徴です。
また、財務や事業再生に関しては、M&Aや資金繰り改善など、かなり専門性の高いサポートが求められます。
監査法人系は、もともと会計監査を行う企業のコンサル部門で、会計やガバナンスに強みを持っているのが特徴です。
業界・企業特化系
■医療・ヘルスケア系コンサルティング
■製造業特化コンサルティング
■中小企業向けコンサルティング
■業務・業界特化系コンサルティング
業界や企業のタイプに特化したコンサルティングは、その分野に深く精通しているのが最大の強みです。
医療業界なら医療制度や診療報酬、製造業なら工場の生産性やサプライチェーンなど、その業界ならではの知識や課題感に対応できるのがポイント。
また、中小企業向けコンサルは、大企業とは違う事情(予算や人手の制約)を踏まえた現実的な支援が得意です。
「業務・業界特化系」は、例として飲食店チェーンや物流業界などより細分化された分野に特化したタイプで、専門性と実行支援の両面を兼ね備えています。
外部コンサルタントのメリット
社内にはない視点を持っている
外部コンサルタントは、業界を横断して数々の企業を見てきた「外の目」を持っています。
同じ課題でも、A社ではこう解決した、B社では別のアプローチを取ったといった実例を知っているからこそ、比較・応用ができます。
一方で、社内だけではどうしても「これまでのやり方」に引っ張られがち。
改善したくても、今ある仕組みや慣習を前提に話が進んでしまい、根本的な見直しが難しいこともあるのが実情です。
企業が伐根的に変わるタイミングで必要なのは、内部で見落としていた「別の選択肢」に気づくこと。
外部コンサルは、客観性という点でその役割に大きく貢献できる存在なのです。
社内にない専門性を持っている
例えば、データ分析やIT導入、M&A支援、組織改革、業務改善。
こうしたテーマは、それぞれに深い専門性が必要で、すべてを社内人材でまかなうのは現実的とは言えません。
外部コンサルタントは、ある分野に特化したプロフェッショナルとして、その企業が今まさに必要としている専門知識・技術を提供できます。
さらに、実務の中で蓄積された「使える知見」を持っているため、現場でどう活かすかまで具体的にアドバイスできるのが強み。
特定の課題にピンポイントで対応したいとき、外部の力を借りることで、短期間で高い成果を出すことが可能になります。
改善までのスピード感がある
社内メンバーは日々の業務で手一杯。
何かを変えようと思っても、「それは大事だけど、今は忙しくて手が回らない」と後回しにされがちなものです。
外部コンサルは、改善や改革に専任で取り組むプロジェクト推進役。
現状を分析し、課題を特定し、解決策を立て、実行支援する。
この一連の流れを短期間で進めることに慣れています。
また、関係者との打ち合わせ・調整も効率的に行い、社内での意思決定をサポートする動きも取ってくれます。
「気づいたら何も変わっていない」という事態を防ぎ、改善までを確実に前に進めてくれる存在です。
経営層や上層部への「後押し材料」になる
社内からの提案は、正しいことを言っていても「現場の声」として軽く見られてしまうこともあります。
一方で外部の専門家からの提言には、信頼性や客観性が分かりやすいため採用されやすいです。
特に経営層は、「自分たちの判断に正当性があるか」を気にする立場。
コンサルのレポートやデータを裏付けとして使えば、「外部もこう言っているならやろう」と、動きやすくなります。
外部コンサルタントは、単なるアドバイザーではなく、組織を動かす説得材料としての役割も担っているのです。
社内の人間関係に左右されずに進められる
社内には、部署ごとの利害や上下関係、遠慮や忖度がつきもの。
「本当はここが問題だけど、あの人には言いにくい」「過去の経緯があって触れられない」といった事情で、課題に正面から向き合えないケースも少なくありません。
外部コンサルは、そうした人間関係のしがらみから自由な立場にいます。
だからこそ忖度なく客観的に課題を指摘し、必要な提言ができるのです。
組織内では言いにくいようなことも、コンサルが代弁することで議論のきっかけになります。
外部コンサルタントのデメリット
コストがかかる
外部コンサルの導入は、当然ながら費用が発生します。
成果報酬型や顧問契約型など内容や契約形態にもよるため一概には言えませんが、難易度に応じて金額も上がります。
「費用に見合った成果が出るのか?」というのは気になって当然ですが、成果が数値で見えにくい領域(人事・組織開発など)では、投資対効果の説明が難しくなることも。
だからこそ、「何を任せたいのか」「どこまで関与してもらうのか」を明確にしたうえで、目的と費用のバランスを見極める必要があります。
現場との温度差が生まれやすい
コンサルの提案内容が改善のための一石であっても、それを実際に動かすのは現場の社員です。
しかし、現場からすると「自分たちのことをよく知らない外部の人に、あれこれ言われたくない」という反発が出ることも少なくありません。
「机上の空論」「実態をわかっていない」などと受け止められてしまうと、提案がどれだけ優れていても動かないもの。
結局、実行段階でつまずいてしまうケースになりかねません。
外部コンサルを活用するには、現場の理解と巻き込みが不可欠です。
温度差を埋めるうえで、以下のようなコミュニケーションが効果的です。
★目的の共有をしっかり行う
「なぜ外部コンサルを入れるのか」を現場に事前に伝え、納得感を持ってもらうことで協力を得やすくなる
★社内に「橋渡し役」を置く
コンサルと現場の間に立って、専門用語をかみ砕いたり、現場の声を伝える役割が必要
★現場もプロジェクトに巻き込む
改善案の検討やミーティングに現場メンバーを参加させることで、当事者意識が生まれる
★成果が見えるところから着手する
早い段階で小さな改善成果を見せることで、現場の信頼と前向きな空気が生まれやすい
机上の空論で終わってしまうことがある
多くの外部コンサルタントは、実行フェーズまで見据えた丁寧な提案を出してくれます。
しかし、その提案が現場の実情やリソースと噛み合っていないと、「結局動かなかった=机上の空論だった」と受け取られてしまうことも。
例えば、人的リソースが足りない状態で大規模な組織改革を進める提案だったり、すでに現場でトライして失敗した手法を「新しい施策」として提示されたりすると、現場としては現実味が感じられません。
つまり、提案そのものの完成度よりも、「どれだけ現場にフィットしているか」が、実行につながるかを左右するのです。
現場第一の製造業コンサルタントなら「あおい技研」
あおい技研は、製造業に特化した業務改善コンサルティング会社です。
製鉄や組立て系産業、食品、医療機器、化学系素材など携わってきた現場は80以上。
私たちのコンサルティングは「製造現場に入り込んで行う」ことが強み。
単なる机上の空論ではなく、実際に現場へ足を運び、現状を把握・分析した上で改善提案を行います。
【実績例】
・工場構内の物流改善
・各種工程の分析、作業改善のご提案
・労働生産性の向上
・熟練作業者のノウハウ可視化、システム要件への落し込み
・製造ライン増設や工場リプレースにかかるレイアウト検討、シミュレーション
あおい技研は、現場の「かかりつけ医」でありたいと考えています。
現場のフロー改善やコスト削減など、ものづくりの現場ならではのお悩みをぜひご相談ください。
まとめ
外部コンサルタントは、客観性と専門性、スピード感を武器に課題を解決へと導く、強力なパートナーです。
ただし、コスト負担や現場との温度差などあらかじめ注意しておきたい点があるのも事実。
大切なのは「目的」と「期待成果」を明確にし、社内体制と役割分担を事前に整えること。
外部と内部が同じゴールを共有できれば、机上の空論に終わらない実践的な改善が進みます。
製造業の現場課題なら、現場密着型のあおい技研にご相談ください。
製造業のDXはあおい技研
株式会社あおい技研は、製造業に特化した業務改善コンサルティングを提供し、製造現場のDX推進をサポートします。80以上の製造現場での診断や改善の経験を活かし、お客様に合ったDX戦略を提案します。
データ分析、業務効率化システムの開発、現場のデジタル化などを通じて、お客様の業務改善と生産性向上を支援します。
製造業のDXについては、あおい技研にご相談ください。
関連記事
-
業務標準化の事例5選!目的・進め方・メリット・デメリットを徹底解説
2024年9月2日
-
生産管理システムを製造業の中小企業が自作する方法3つとメリット・デメリット
2022年2月14日
-
製造業で検査を効率化する方法4つ!目視検査の見逃し対策法も併せて紹介
2024年8月15日
-
業務改善コンサルティングとは?6つのサービス内容と活用のメリット
2022年3月1日
-
製造業の利益率の目安とは?計算方法5つや向上させる方法を解説!
2024年10月3日
-
業務改善のプロセスが上手く進まない理由4つ【対処法】
2024年7月9日
カテゴリー
- IT化
- QCD
- QCサークル
- コスト削減
- コンサルタント
- スマートファクトリー
- ボトルネック工程
- 中小企業
- 労働生産性
- 合理化
- 品質担保
- 品質管理
- 在庫管理
- 工場IoT
- 工場効率化
- 工程管理
- 工程管理システム
- 投入資源
- 業務効率
- 業務改善
- 生産ライン
- 生産性向上
- 生産管理
- 生産管理システム
- 経費削減
- 製造業
- 製造業 DX
- 製造業IoT
- 見える化
- 設備管理
新着コラム
-
2025年5月28日
事例から学ぶ工場の安全対策!製造業の労災件数も紹介
-
2025年5月28日
ベンダーコントロールとは?定義やToDoを解説
-
2025年5月28日
外部コンサルタントとは?内部との違いやメリット・デメリット
-
2025年4月25日
勘と経験に頼らないモノづくりとは?製造業10社のデータ活用事例を紹介
-
2025年4月25日
工程設計とは?フロー、重要さを解説【事例あり】
-
2025年4月25日
製造業の工程管理、うまくいかない?原因と解決策を解説
-
2025年3月24日
工程分析とは?使われる記号や手法、改善ポイントを解説
-
2025年3月24日
データ分析で製造業の何が変わる?つまずくポイントも解説
-
2025年3月24日
スマートファクトリーとは?DXとの違いをわかりやすく解説
-
2025年2月27日
工場内の物流を自動化したい!ハードルはなぜ高い?