業務効率化が上手くいかないときに試したいポイント5つ|おすすめツールと事例
業務効率化は、製造業の生産性を高め、利益を最大化するために大切な取り組みです。複数の工程があり「ムリ・ムダ・ムラ」が生じやすい製造業の現場では、業務効率化を推進できるかどうかが、生産性を大きく左右します。業務効率化では現状把握、問題や課題の洗い出し、計画立案、改善策の実施、効果検証を順序立てて行います。
不必要な業務を撤廃したり、新たなツールを導入したりと変化を伴うため、一筋縄ではいかないことが実情です。今回は、業務効率化が上手くいかないと悩んでいる人・企業に向けて、試したいポイント5つを紹介します。業務効率化におすすめなツールや国内での成功事例もまとめているため、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
業務効率化とは
業務効率化とは、業務プロセスの「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出し、やり方を見直したり工程を省いたりして、生産性向上を目指す取り組みです。
具体的には、
- 従業員や機械設備に能力以上の負荷がかかっていないか(ムリ)
- 不必要な業務や資材や人材を過剰に投入していないか(ムダ)
- 担当者や時期によって業務のやり方や成果にバラつきがないか(ムラ)
などを精査し、改善の余地が見られた場合は、業務効率化できるよう策を講じます。業務効率化では、重複している業務を一つにまとめたり、業務時間の短縮を図ったりします。
不必要な業務は思い切って無くしたり、人材配置を見直したりすることもあります。業務効率化の策が、生産性を高める成果につながっているか確認しながら、「ムリ・ムダ・ムラ」を無くしていく取り組みです。
業務効率化が上手くいかないときに試したいポイント5つ
業務効率化を成功させるためには、経営層と従業員が一丸となって取り組むことが大切です。推進するうえで上手くいかないときは、何が問題なのかを考えて改善していきましょう。業務効率化が上手くいかないときに試したいポイント5つを紹介します。
取り組みを絞る
業務効率化が上手くいかない原因は、一度に複数の取り組みをしているからかもしれません。業務効率化では、一部の業務を変更したり省いたりすることがあります。一部の業務を変えることは、業務プロセス全体に影響を及ぼすことでもあります。
あれこれ一度に手を付けてしまうと、業務プロセス全体に大きな混乱を与えてしまい、何が何だかわからなくなってしまうことは、よくあるケースです。業務効率化を成功させるためには、優先順位をつけたうえで、取り組みを絞ることが特に大切です。
一つ一つ小さな成功体験を積んでいくことで、従業員のモチベーションも高まり、結果的に業務効率化の大きな成果を得られます。
現場の従業員へのヒアリング
業務効率化は、経営層と従業員が同じ志を持って行わなければ、実現できない取り組みです。業務効率化の方針を決定するのは経営層の役割ですが、従業員が納得していなかったりやる気が出ていなかったりすると、改善案の内容は良くても成果につながりません。
現場で実際に業務効率化のための改善案を実施し、継続する努力を行っていくのは、従業員だからです。業務効率化において、従業員のやる気やモチベーションは、とても重要です。
ボトルネックがどこにあるのかを知るためにも、現場の作業員一人一人に、丁寧なヒアリングを行ってみましょう。経営層にとっては、思わぬ問題点が浮き彫りになることもあります。
失敗を分析して活用する
漠然と「上手くいかない」と嘆いていても、問題は解決しません。業務効率化が上手くいかないときや失敗をしたときは、必ず原因究明を行いましょう。業務効率化を阻んでいる原因や失敗を分析し、フィードバックすることが大切です。
フィードバックの内容を活用し、業務効率化の方法を見直せば、必ず解決の糸口は見えてきます。
規格を統一する
企業の経営年数が長いと、社内での規格がバラバラになっているケースが多く見受けられます。規格がバラバラだと業務効率化を進めるときにその都度、変換しながら情報を整理することになるため、効率的ではありません。
異なる規格を基準にしている従業員同士の、擦り合せを行う手間もかかります。規格が統一されていれば、業務効率化として業務内容を変更するときに互換性があるため、取り組みがスムーズになります。
今後の新たなマニュアル作成などのためにも、業務効率化に取り組む前に、規格の統一を行うことが大切です。
導入ツールの見直し
業務効率化の一環として、ITツールの導入は欠かせません。機械にできることは任せて、従業員は人にしかできない、付加価値の高い業務に集中できるからです。問題は、業務効率化のために導入したツールが、適していない可能性があることです。
業務効率化をサポートしてくれるITツールはたくさんありますが、企業の現場と業務に合ったシステムを導入しないと、以下のように逆効果になります。
- 不要な機能が多く運用のコストパフォーマンスが悪い
- 複雑な入力システムで従業員が上手く扱えずエラーが生じる
- ITツールにメンテナンスが必要で工数が増える
既に業務効率化のためのITツールを導入していて、上手くいっていない場合は、導入ツールの見直しも視野に入れましょう。
あおい技研は、それぞれの現場にはそれぞれの現場の仕事のやり方、効率化の考え方があると考えています。製造業に特化したコンサルティングを行っていますが、特定のシステム導入を前提にすることはございません。
各企業の現場に実際に足を運び、業務効率化や改善のために必要なITツールの導入を、ご提案させていただいております。業務を効率化するITツールの開発を得意とするスタッフも在籍しており、専門的なアドバイスができることが強みです。
自社に導入しているITツールが合っているのか不安、もっと最適なものに変更したいなど、気がかりな点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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業務効率化におすすめなツール
業務効率化をサポートするITツールの中には、すぐに導入できるものもあります。まずは、手軽に導入できるサービスを利用し、従業員にITツールに慣れてもらうことも大切です。製造業の現場で役立つ、業務効率化におすすめなツールを紹介します。
クラウド型マニュアルサービス
クラウド型マニュアルサービスとは、クラウド上でマニュアルを作成・編集・閲覧できるサービスです。製造業の現場では、マニュアルが紙で用意されていることが多く、新旧のものが混在していたり、こまめに改訂されていなかったりするケースがあります。
クラウド型マニュアルサービスであれば、変更点などを手軽に編集し、リアルタイムで共有できます。アクセスできる環境があれば、いつでもどこでも閲覧可能で、必要な場所の検索もかんたんにできることもメリットです。
クラウド上にマニュアルのテンプレートもあるため、作成もかんたんでスピーディーにできます。
メモ・ドキュメント管理サービス
メモ・ドキュメント型管理サービスとは、経営層や従業員の作成したメモやドキュメントを、共有できるサービスです。業務連絡やトラブル発生の通知などを、リアルタイムに書き込み共有できます。
公開範囲の設定などもあるため、グループごとに作成し、共有することも可能です。必要に応じて従業員が、自分用のメモとして使うこともできます。メモやドキュメントを蓄積して保存できることに加え、編集や整理もかんたんなことがメリットです。
タスク・プロジェクト管理サービス
タスク・プロジェクト型管理サービスとは、タスクやプロジェクトを可視化して管理できるサービスです。視覚的にタスクやプロジェクトが明確になるため、優先順位付けや計画立てがスムーズになります。
タスクを確実に管理できるため、計画通りに業務を進行できます。進捗状況も明らかになり、従業員の状況を管理したり、モチベーション維持に役立ったりすることがメリットになります。
業務効率化の成功事例
業務効率化に取り組むときは、実際の事例を参考にすることをおすすめします。
そのまま取り入れるのではなく、参考にしながら自社の現場に合うやり方で実行してみましょう。ここでは日本の製造業における業務効率化の成功事例を紹介します。
図面比較効率化パックでスピードアップとコスト削減
アルミ鋳物の製造業企業では、図面の比較を目視でしており、時間がかかること、見落としが多いことが問題でした。抜け漏れによる手戻りが、納期とコストも圧迫していました。
業務効率化のために「図面比較効率化パック」というITサービスを導入したところ、図面を1画面で比較できるようになり、見落としが減少しました。
作業時間の大幅なスピードアップと、コスト削減が実現したのです。
参考出典:https://ichengsi.co.jp/ifs-labo/seizogyo-kaizenzirei/
新たな生産管理システムの導入で生産と原価管理を効率化
計測制御機器の製造業企業では、生産管理システムで生産管理・原価管理を行なっていました。しかし、機能面に限界があり、業務の煩雑化を招いている問題がありました。
業務効率化のために新たな生産管理システムを導入したところ、部品手配の適正化が実現したり、原価をリアルタイムで確認できるようになったりと、大きく改善しました。自社に合ったITツールを導入することの、大切さがわかる事例です。
参考出典:https://ichengsi.co.jp/ifs-labo/seizogyo-kaizenzirei/
紙の書類をクラウドで管理し場所を問わず閲覧できるように
顧客管理とは、取り引きしている顧客情報を管理することです。具体的には、以下のような顧客情報を管理します。産業設備のメンテナンスを行っている企業では、紙の書類とデータファイルの資料が混合しており、管理が難しい問題がありました。
特に、ファイルサーバーにあるデータを、活用しにくいことが課題でした。業務効率化のために、紙の書類をスキャンによってデータ化しました。社内のファイルサーバーに蓄積していたデータも、一緒にクラウド上で管理する方法に切り替えたところ、書類やデータを手軽に一元管理できるようになりました。
自宅や外出先からでも、書類を閲覧できるようになったことも大きな成果です。
参考出典:https://workstyle.ricoh.co.jp/article/manufacturing-case-studies.html
業務効率化が上手くいかないときは原因究明とツールの見直しを(まとめ)
業務効率化はかんたんな取り組みのようで、業務プロセス全体に影響する大きな試みです。企業の生産性や利益に直結するため、慎重に考え実行する必要があります。業務効率化が上手くいかないときは、漠然といろいろなことを試すのではなく、まずは原因究明を行い、ボトルネックを探し出しましょう。
一度に多く取り組まず、従業員のモチベーションを大切にしながら、自社に合ったやり方を導入することが成功の鍵になります。成功事例からもわかるように、少しの改善やITツールの見直しで、業務効率化は成果が出ます。
業務効率化の目的を明確にして、フィードバックを活かしながら、一つずつ進めていきましょう。
今日のポイント
- 業務効率化とは、業務プロセスの「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出し、やり方を見直したり工程を省いたりして、生産性を高めることを目指す取り組みのこと
- 業務効率化が上手くいかないときに試したいポイント5つは「取り組みを絞る」「現場の従業員へのヒアリング」「失敗の活用」「規格の統一」「導入ツールの見直し」
- 業務効率化には自社に合ったITツールを導入することが大切
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