業務改善コンサルティングとは?6つのサービス内容と活用のメリット
業務改善コンサルティングを活用すると、業務プロセスにおける自社の改善点が明らかになり、円滑に業務改善に取り組めるようになります。製造業において業務改善は、とても重要です。
業務改善によって課題が解決できれば、業務効率化・生産性向上・労働環境改善・コスト削減などの大きな効果を期待できるからです。
しかし、業務改善で取り組む項目はとても多く、専門的な知識やサポートを必要とすることもあり、自社内だけで進めるのは難しい場合があります。そんなときに頼れるのが、業務改善コンサルティングです。
業務改善コンサルティングは企業に寄り添いながら、課題の洗い出しからシステム開発会社との調整まで、幅広くサポートしてくれるでしょう。今回は業務改善コンサルティングの6つのサービス内容と、活用するメリットをご紹介します。
コンテンツ
業務改善コンサルティングとは?
業務改善コンサルティングとは、企業の業務プロセスを可視化し、問題や課題を洗い出すことで、最適な業務改善ができるように支援してくれるサービスです。
企業に寄り添いながらも、専門家として客観的に現状を見極め、何をどう改善するとどんな効果が得られるのかを、アドバイスしながらサポートしてくれます。
業務コンサルティングの内容は、企業の状況やニーズに合わせたオーダーメイドが基本です。
業務改善コンサルティングの目的
業務改善コンサルティングの目的は、企業の業務改善を支援し、実現させることです。
ただし、内容は企業の状況やニーズに合わせてカスタマイズされるため、必ずしも業務改善コンサルティングが、業務改善実施の段階までサポートするとは限りません。
業務改善の手順は以下の通りです。
- 1.現状の業務プロセスの可視化(現状整理)
- 2.改善点や非効率な部分の洗い出し(課題発見)
- 3.業務改善案の提案と実施(改善活動)
企業が業務改善コンサルティングに、どこまでの支援を求めるのかによって目的は変わります。
業務改善コンサルティングができること【6つのサービス内容】
業務改善コンサルティングの対応範囲は、提供会社によって異なります。依頼元の企業が求めるものに合わせて目的を設定し、対応範囲内で支援を実施していくことが基本です。
ここでは、一般的な業務改善コンサルティングにより達成できること【6つのサービス内容】をご紹介します。
1.業務の可視化
業務の可視化とは、主に業務プロセスの可視化を指します。
従業員へのヒアリングや現場の訪問、製造指示が具体的にどのような方法で行われているかの確認などを行い、結果に基づいて「業務フロー図」や「作業手順書」を作成します。
業務プロセスの可視化というと、上記のように業務フロー図や作業手順書を作成するだけの印象を受けますが、実はそれだけではありません。
必要に応じて、品番や作業指示番号などの番号体系の確認や、工場見取り図の作成など、製造現場内で暗黙的に使われている用語や体系の言語化・可視化も行います。
業務フロー図作成の例としては、BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記法)を活用することがあります。BPMNとは仕事の始め方、役割分担、各担当の業務内容、顧客や取引先とのやり取りなどのフローを記述する手法です。
国際標準(ISO19510)にもなっており、見る人すべての共通理解を得られるように、記号や表記方法が細かく定められています。
2.問題や課題の洗い出し
業務プロセスのどこに、問題が潜んでいるのかを洗い出して課題とします。
問題を洗い出すためにはパレート分析や、3M改善のようにムリ・ムダを見つける方法が一般的です。
パレート分析や3M改善などの一般的な手法を使えば、問題や課題の洗い出しは自社の従業員たちだけでも行なえます。
ただ、自社内での取り組みは主観的な判断になりやすく、客観的視点を持って問題や課題を洗い出すことが難しい傾向にあります。特に、毎日行っているような通常業務に潜む問題や課題には気づきにくいものです。
業務改善コンサルティングを依頼するメリットは、多くのノウハウと豊富な経験に基づいて、問題や課題の洗い出しを適切に行なってくれることです。
他の製造現場での改善活動を推進してきた経験から、業務プロセスのどの部分に問題や課題が潜んでいるのか効果的に発見するノウハウもあり、客観的な視点で問題や課題を洗い出してくれます。
3.問題や課題の原因追求
問題や課題が明確になったら、原因追求をします。原因を特定しないと、表面的な問題や課題の改善に取り組むことになり、業務改善としての成果が大きく見込めないからです。
業務改善コンサルティングでは、問題や課題の原因追求のための手法も提供します。
ロジックツリーやバリューチェーン分析など、問題原因を追究するための仕組みを活用して、問題が起きている真の原因を追求し、効果的な業務改善案の立案につなげます。
4.業務改善案の立案
特定された問題や課題の原因を解決するために、 具体的な改善案を立案します。改善案は投資対効果を適切に評価する事が重要となります。
そのためには、すべての改善案に対して、定量評価を行い、予算枠の中で最も費用対効果の見込める改善案を選定しなくてはいけません。
「1. 業務の可視化」や「2. 問題や課題の洗い出し」のプロセスで、最適な分析手法やツールを選択し、定量評価ができるように進めることが本プロセスで活きてきます。
業務改善コンサルティングの活用により、「4. 業務改善案の立案」をスムーズに進めることができることもメリットの一つです。
5.システムの企画と提案
業務改善案に沿って必要であれば、企業に合ったシステムの企画や提案、サポートを行います。
システムの企画や提案とは、企業のニーズに沿って業務システムの要件を整理したり、企業側の立場でシステム開発会社との調整を行ったりすることです。
自社でシステム導入を検討するとき、既存の有名なシステムをそのまま取り入れる判断に至ってしまうことが珍しくありません。
結果、高額な費用を支払ってシステム導入したものの、自社の業務方法に合わなかったり、必要のない機能を追加して工数を増やしてしまったりする可能性があります。
業務改善コンサルティングの依頼により専門的な知識と経験を活かして、データ分析や改善の実現ができる最適なツール・システムを選定します。
特定のシステム導入を前提にせず、企業にとって本当に必要な業務改善案を提案することが可能です。
6.改善案実施の効果測定
改善案が実際に効果を上げたかを評価するためには、改善の実施と合わせて、効果を測定することが重要になります。
改善案立案をしたのであれば、一定期間の効果を測定し、業務改善の成果を評価するまでが、業務改善コンサルティングの役目です。効果は定量的に測定することがポイントです。
成果を受けて、PDCAサイクルを回していくことも重要です。望んだ成果を得られている場合は、業務改善内容が定着するように調整を行います。望んだ成果が得られていない場合は、原因を突き止めて改善を目指すPDCAサイクルを回し、業務改善の実現に近づけていきます。
業務改善コンサルティングを活用するメリット
業務改善コンサルティングの活用により、自社内だけでは解決できなかった業務改善問題に、対処できる可能性が高くなります。
また、業務改善は通常業務とは別の取り組みなため、コンサルティングを依頼することでリソースを確保できることも重要な点です。
業務改善コンサルティングを活用するメリットをご紹介します。
専門家の客観的なアドバイスがもらえる
業務改善コンサルティングの活用により、専門家の客観的な知見や意見に基づいたアドバイスが得られます。
専門的な知識を持たない自社の従業員たちだけで業務改善に取り組むよりも、効果的なノウハウを用いてサポートしてもらえるため、高い成果が期待できます。
アドバイスで得た知識を、今後問題が発生した際に役立てられることもメリットです。
現場の見えなかった課題が見つかる
製造現場の診断や分析には、客観的視点が欠かせません。主観的視点のみで診断や分析を行うと結果が偏りがちだからです。
また、業務改善コンサルティングでは、多数のフレームワークや手法から、自社の課題に合った適切な手法を使います。
業務の可視化に重きを置き、BPMNなどの効果的なフレームワークや手法を用いるため、現場の見えなかった課題が見つかる可能性が高いことがメリットです。
最適な業務改善方法を提案してもらえる
業務改善コンサルティングの活用により、専門家の知見で最適な業務改善方法の提案を受けることができます。自社判断で業務改善案を立案すると、以下のような誤った試みを行ってしまう可能性があります。
- 課題の解決に効果の薄い取組みばかりになってしまう
- 各担当者の興味がある範囲で改善案が止まってしまう
- 細かいことばかりに視点が向き大きな改善や成果につながらない
- 壮大すぎてどこから手を付けて良いかわからず検討が具体化しない
業務改善コンサルティング会社は、多様な成功・失敗事例を持っていることが強みです。
企業が抱えている課題に対して、どのようなアプローチをとることが適しているか、判断することが可能です。
業務改善コンサルティングは企業に寄り添いサポートを行う(まとめ)
業務改善コンサルティングの目的は、企業の業務改善を支援し、実現させることです。
型にはめて一方的なアドバイスを行うのではなく、企業の状況やニーズを尊重してオーダーメイドな業務改善提案を受けることができます。
業務改善コンサルティングは、ただの外注ではありません。問題解決のプロフェッショナルが企業に寄り添いながら、適切なサポート行うサービスです。
今日のポイント
- 業務改善コンサルティングとは、企業の業務プロセスを可視化し、問題や課題を洗い出すことで、最適な業務改善ができるように支援してくれるサービスのこと
- 業務改善コンサルティングができることは「業務の可視化」「問題や課題の洗い出し」「問題や課題の原因追求」「業務改善案の立案」「システムの企画と提案」「改善案実施の効果測定
」 - 業務改善コンサルティングを活用するメリットは、専門家の客観的なアドバイスがもらえて、現場の見えなかった課題が見つかり、最適な業務改善方法を提案してもらえること
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