業務管理の基本6つを初心者向けに解説!理由や進め方・役立つツールも紹介
業務管理とは、社内の業務が効率的に進むように管理することです。そのため資材や人材などの経営資源を無駄なく適切にコントロールし、合理的な経営を目指します。また業務管理を行うためには、ITツールが必要不可欠となります。しかし、ただITツールを導入すれば、上手く業務管理が出来るわけではありません。
業務管理の重要性や目的を理解したうえで、現場に合ったシステムを導入することに意味があります。今回は、業務管理の基本6つを初心者向けに解説します。幅広く使われているエクセルを業務管理に活用できるのかも検討し、役立つおすすめツールについても紹介するため、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
業務管理とは
業務管理は、企業の生産性を高めるために重要な取り組みです。あらゆる業務が「見える化」するようになるため、経営層、従業員においてもメリットがあります。業務管理によって業務が「見える化」することで得られるメリット
経営層
- 各部署の業務を一元管理できる
- 従業員の不正やヒューマンエラーを検出出来る
- 合理的な経営判断がしやすくなる
従業員
- 各工程の内容や進捗がわかって業務を進めやすくなる
- 公平な人事評価を得られる
- タスクや目標が明確になりモチベーションが向上する
業務管理は、時間管理、進捗管理、顧客管理など、さまざまな項目を管理する必要があります。業務の効率化が目的ですが、全体を俯瞰的視点で見ることで、企業の利益につながることを第一に考え、実行していかなくてはいけません。
業務管理が重要な理由
業務管理が重要な理由は、業務の一元管理が実現することにあります。一元管理とは、経営資源を一括で管理することです。従業員が少ないうちは、経営層が業務内容や現場の状況を把握するのは、難しくありません。
しかし、企業の規模が大きくなり従業員が増えてくると、この管理は行き届かなくなってきます。業務管理が十分に行われていない現場では、業務に無駄が発生しやすく、さまざまなトラブルが発生する要因となることがあります。
トラブルは必ず発生し得るものですが、業務管理が不十分だと、そのトラブルの原因究明や改善が難しいことが問題です。業務管理を行って一元管理が実現すれば、各業務の流れがスムーズになり、企業全体のスピード感が高まります。
業務管理の対象となるもの
業務管理の対象となるものは幅広く、それぞれを適切にコントロールする必要があります。一つ一つ手を抜かず、業務管理によって効率化できる部分はないか、検討していきましょう。ここでは業務管理の対象となるものを紹介します。
時間の管理
時間管理とは、業務に取り組んでいる時間を管理することです。プロジェクト全体から個人のタスクまで、あらゆる業務にかかる時間を管理します。製造業では計画管理や進捗管理の精度が、納期遅れを防ぐことに直結します。
納期遅れを防ぐだけでなく、安定した品質の製品を製造できるように、余裕を持ったスケジュールを組むことも重要です。各業務の計画や進捗などの時間を明確に数値化して、管理していきましょう。
勤怠(工数)の管理
勤怠(工数)管理とは、従業員の勤怠状況を管理することです。「誰がいつ出勤したのか」「どのくらいの時間働いているか」を明確な数値データとして管理します。大切なのは、適切な方法で正確な勤怠管理をすることです。
上司の圧力や現場の雰囲気などによって、サービス残業が生じていないか、経営層には調査する義務があります。タイムカードやタブレットによる勤怠入力を導入している場合は、ルールの標準化とシステムの不具合調整を行うことも重要です。
顧客管理
顧客管理とは、取り引きしている顧客情報を管理することです。具体的には、以下のような顧客情報を管理します。
- 顧客の基本情報(社名、所在地、連絡先)
- 購入情報
- 日付情報
- 営業担当者
- 受注見込み度
顧客情報の保存はできていても、管理を十分にできている企業は少ないものです。顧客管理をしっかりと管理することで、マーケティングの分析や、顧客へのアフターフォローをするときに役立ちます。
タスク管理
タスク管理とは、各従業員のタスクを把握・共有して管理することです。個人の抱えるタスクは、全体で把握・共有されていないケースが多く見受けられます。
各タスクの内容や進捗状況が不明瞭では、全体の業務進行もスムーズにいきません。大小全てのタスクを全員が、把握・共有できるような状態に管理する必要があります。
従業員の管理
従業員の管理とは、従業員の健康状態、人事評価、ハラスメント問題などを管理することです。従業員は、企業にとって最も大切な資源です。
最近は「健康経営」が注目されており、従業員の健康を適切に管理することが、将来の投資となる考え方が定着しています。従業員の健康診断実施や長期休暇サポート、メンタルヘルス、適切な人事評価やハラスメント相談窓口の設置などが有効です。
経営全体の管理
経営全体の管理とは、経営全般を管理することです。具体的には、以下のような事柄を管理します。
- 売上や利益
- 戦略立案プロセス
- 事業や組織運営
業務管理は現場の業務やタスクだけが対象ではなく、企業の経営に関する核の部分も適切に管理し、コントロールすることが重要です。
業務管理の進め方
業務管理の進め方は、主に以下の方法があります。
- 業務の見える化
- 評価基準の数値化
- PDCAサイクルの確立
- 各業務に応じたツール活用
業務の見える化では、各従業員の作業内容や業務プロセスなどを可視化します。
文書やチャートなどで誰が見てもわかるように可視化することで、業務が見える化し、それに伴い効率向上が見込めます。
評価基準の数値化では、定量的に判断できる基準を設定することがとても大切です。評価基準が曖昧で数値化されていない状態では、評価に対する従業員の納得を得られず、不満が募ります。
人事評価を行いやすくするためにも、評価基準は明確に数値化するように心掛けましょう。業務管理では、継続的にPDCAサイクルを回すことも重要です。
業務管理は一度取り組めば終わりではなく、継続的な実行を繰り返していかないと意味がありません。PDCAサイクルを確立させて、常に高い精度の業務管理が行えるよう努めましょう。また業務管理をアナログ的なやり方で、手動で行うのは現実的ではありません。手間や時間を省略するためにも、業務管理はITツールの活用がおすすめです。
ITツールには「生産管理ツール」「進捗管理ツール」など、各業務に応じたシステムがあります。まずは重点となる一業務からでも良いので、ITツールを導入して成果を実感してみましょう。
業務管理はエクセルでできる?
業務管理を専門のITツール導入ではなく、エクセルで行っている企業もあります。エクセルでも、進捗管理表を作成したり、勤怠管理をしたりすることは可能です。
ただし、エクセルでの業務管理はデメリットとリスクが多いため、おすすめできない方法です。エクセルで業務管理を行うデメリットやリスクには、以下のようなものがあります。
- 一元管理ができない
- 管理方法が作成者や入力者に属人化しやすい
- 手作業が多くヒューマンエラーが起こりやすい
- 複数人での管理や共有が難しい
- 書き写しやコピペ作業が多く非効率
業務管理は、企業の利益に関わる重要な取り組みです。業務管理の方法が不安定で属人的になりやすいと、のちに大きな損失につながる可能性があります。
業務管理はなるべく、エクセルなどのアナログ的手法を使わずに、専門のITツール導入で効率良く安定して、管理を任せることをおすすめします。
業務管理におすすめしたいツール
業務管理に役立つITツールは、それぞれ専門があります。全てを導入せずに、自社に必要なITツールだけを、ピックアップして採用しても構いません。ここでは業務管理に役立つおすすめツールを紹介します。
生産管理ツール
生産管理ツールとは、製品の品質・コスト・原価・納期など、生産に関する情報を管理するツールのことです。ツールによっては、生産から販売までの流れを一元管理することも可能です。
販売管理ツール
販売管理ツールとは、商品の出荷や請求などのフローを管理するツールのことです。販売管理ツールを利用すると、企業の売上や利益を見える化できます。
会計管理ツール
会計管理ツールとは、会計事務を効率化して管理するツールのことです。帳票の作成やキャッシュフローの管理などを行えます。過去のデータも簡単に検索できるため、業務の効率化が見込めます。
勤怠管理ツール
勤怠管理ツールとは、従業員の勤怠状況を管理するツールのことです。ツールによっては、勤怠状況に応じた給与計算まで行ってくれるものもあります。
人事管理ツール
人事管理ツールとは、従業員の情報を管理するツールのことです。個人情報から勤続年数、有給消化率、給与まで管理できます。
営業管理ツール
営業管理ツールとは、営業活動のサポートを管理するツールのことです。日報やToDoリスト作成、訪問計画など、営業活動に役立つ機能が搭載されています。
顧客管理ツール
顧客管理ツールとは、顧客情報を一元管理するツールのことです。顧客の個人情報を保存するだけでなく、取引履歴も残せるため、顧客との関係性の管理を行えます。
一括導入するならERPパッケージがおすすめ
ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)パッケージとは、業務管理全般のツールが搭載されているシステムのことです。あらゆる業務を幅広く、一元管理できるようになります。自社内全体の業務管理を大きな試みとして、まとめて進めたい場合におすすめです。
業務管理は企業の利益最大化に貢献する重要な取り組み(まとめ)
業務管理を徹底すると、企業の生産性が高まり、利益最大化に貢献します。業務管理の目的は業務効率化ですが、対象となるものは幅広く、従業員の管理や経営全般の管理も含まれることがポイントです。
また、業務管理が重要な理由には、各部署の業務を一元管理できることがあります。自社内の業務を一元管理できれば、問題やトラブルが生じたときに対処しやすく、普段の業務もスムーズに進行しやすいことがメリットです。
業務管理はエクセルなどのアナログ的手法でも行えますが、おすすめは専門のITツールの導入です。生産管理ツールから顧客管理ツールまで、業務に応じたシステムがあるため、業務管理に取り組むなら導入を検討してみてください。
今日のポイント
- 業務管理とは社内の業務が効率的に進むように管理すること
- 業務管理が重要な理由は、業務の一元管理が実現することにある
- 業務管理の対象となるものは時間、勤務、顧客、タスク、従業員、経営などがある
- 業務管理の進め方は「業務の見える化」や「評価基準の数値化」、「PDCAサイクルの確立
」や「各業務に応じたツール活用」 - エクセルでの業務管理は不安定で属人的になりやすいためおすすめできない
- 業務管理のITツールを導入するときは自社の業務に応じたものを選ぶ
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