IoTの活用事例7つを厳選して徹底解説【企業や工場】

IoTの活用事例を参考にすると、企業や工場の実際の現場に導入するイメージが湧きます。近年、IoTへの取り組みは企業の生産能力を向上させるのに、大いに役立つ画期的な仕組みのひとつです。生産能力が向上するだけでなく、ヒューマンエラーを無くし、現場での事故リスクを下げるメリットもあります。

しかし、「IoTの導入は難しい」「どういう風に活用したらいいのかわからない」と、ハードルが高く感じている製造業の方も多いでしょう。今回は、企業や工場におけるIoTの活用事例7つを厳選して徹底解説します。家庭におけるIoTの活用シーンや面白い事例・製品も紹介するため、ご参考にしてみてください。

IoTとはモノにネットワークを繋げて有効に活用すること

IoTとは、”Internet of Things”の略で、モノのインターネットと直訳できます。従来インターネットに接続されていなかったモノ(機械設備や工具など)をネットワーク化し、相互に情報交換や通信できるよう設定することです。

IoTは日常生活や企業の生産現場で活躍していますが、特に製造業の現場では生産活動が効率化すると近年、注目を集めています。

IoTでは、対象となるモノに機械やセンサーを取り付け、インターネット接続を活用するのが一般的です。今までわからなかった情報を可視化したり、遠隔操作を可能にしたり、活用出来る範囲は多岐にわたります。

IoTの活用事例7つ【企業や工場】

日本能率協会では、製造業の現場におけるIoTの活用定義として、「現場IoT7つ道具」を定義しています。「現場IoT7つ道具」とは、IoTを導入する際に、現場の課題を7つの視点で捉えようと推奨する考え方のことです。

この考え方を基にすることで、自社の現場に適切な形でIoTを導入できるようになります。「現場IoT7つ道具」を踏まえて、企業や向上におけるIoTの活用事例7つを紹介します。

1.IoTで人、モノ、機械の「位置」を追跡

現場IoT7つ道具における、①IoL 位置(Internet of Location)です。人、モノ、機械にIoTセンサーを取り付け、位置や動線を追跡します。

具体的には敷地や施設内の各所に発信機(Beacon端末など)を複数設置し、位置情報や追跡情報をデータ化することにより、改善点が見つかりやすくなります。作業効率向上や様々なデータ(所在、動線および移動距離など)を可視化することがメリットになります。

2.IoTで人の「作業」を計測し数値化

現場IoT7つ道具における、②LoO 作業(Internet of Operation)です。製造現場において、以下のような項目はとても貴重な情報になります。

  • 人の稼働状況
  • 人の動線状況
  • 人の作業集中度

IoTの力を使えば、今まで可視化できなかった、上記のような情報を明確にできます。人の状態(姿勢、視線など)や人の動作(手足の動き、移動など)のデータを専用端末などでリアルタイム計測をして数値化することにより、作業効率改善の着眼ポイントの発見などに役立ちます。

3.IoTで現場の「場面」を常に観察

現場IoT7つ道具における、③LoS 場面(Internet of Situation)です。AI搭載のカメラモニタニングなどを導入すれば、現場を24時間、常に観察できるようになります。またシグナルタワーや光感知センサーなどのデバイスを活用することでもデータ収集は可能となります。

日々の定常作業のロス発見や、トラブル発生時の原因究明に、役立つのがポイントです。IoT化によって機械設備を遠隔操作することも可能になるため、将来的には無人運用できる可能性も高まります。

4.IoTで「数量」を自動計算

現場IoT7つ道具における、④LoC 数量(Internet of Count)です。アナログ的な数量計算は、付加価値を生み出さないムダな作業ともいえます。またヒューマンエラーによる、ミスが多発しやすいのもデメリットです。

重量センサーやマーカーの監視などIoTを活用することにより、数量を自動計算できるようにすれば、生産性も向上し、作業者の負担軽減を行った上で、ヒューマンエラーによるリスクも減少します。

5.IoTでリスクを予測し「危険」を回避

現場IoT7つ道具における、⑤ LoH 危険(Internet of Hazard)です。IoTで事故発生の瞬間の動画記録と、位置情報を連動しデータ化することも可能です。
事故の再発防止などの対策や安全活動の取り組みの活用できます。

危険が起こりうる事態になったとき、IoTセンサーなどで作業者に注意喚起できるように設定しておけば、事故を未然に防ぐ可能性があります。また実際に事故が起きた場合にも位置情報の一定時間以上の停滞などにより、救助要請や連絡等をスムーズにできるような環境づくりも可能です。

6.IoTで機械の「稼働」状況を定量的に把握

現場IoT7つ道具における、⑥loA 稼働(Internet of Availability)です。IoTを活用すれば、機械設備の加工時間や停止時間などを計測できます。

光センサーや振動センサー、温湿度センサーなどを活用し、計測した大量のデータを分析すれば、工場全体の3M(ムリ・ムダ・ムラ)を見つけやすくなるのがメリットです。工場全体の稼働状況を定量的に把握・分析・改善できるようになります。

7.IoTで「品質」管理の精度を向上

現場IoT7つ道具における、⑦ LoQ 品質(Internet of Quality)です。AI搭載のモニタリングで品質管理を行えば、不良品を発見しやすくなります。目視による不良品の見落としが無くなるため、市場への流出リスクを軽減できます。

また、製造装置の日常点検や装置異常などもIoTを活用すれば、人の目による曖昧な判断ではなく、データに基づいた判断が可能となります。
製造業において重要な品質管理のクオリティを大きく向上できるでしょう。

IoTは家庭や生活でも活躍!面白い事例や製品

IoTは企業や工場内だけでなく、家庭や生活でも活躍しています。家庭や生活でのIoTの面白い活用事例や製品には、以下のようなものがあります。

  • 冷蔵庫をIoT化して食品の賞味期限を管理、外出中でも確認できる
  • 猫の自動給餌機をIoT化してカメラと一体化、餌の量の管理や様子を観察できる
  • 電動歯ブラシをIoT化して経過時間や磨き残し部分をスマホで閲覧できる

最近は、IoT搭載の家電や日用品が多く販売されています。スマホアプリと連動するものが多く、誰でもかんたんに扱えるのもポイントです。IoTはこれからの時代を大きく変えてくれる、画期的な仕組みです。

IoTは製造業の生産能力を飛躍的に向上させる仕組み(まとめ)

IoTは導入ハードルが高いと思われがちですが、そんなことはありません。導入の規模にもよりますが、IoTセンサーは安く購入できることも多く、スマホやタブレットと連携して気軽に管理できます。

重要なのは、IoTが製造業の生産能力向上に大きく貢献してくれる点です。IoTはただのIT化やデジタル化ではありません。人、モノ、機械をネットワーク化し、現場での作業や日々の生活を、より快適に効率化してくれるものです。

製造業の現場に潜む3M解消に役立つだけでなく、事故防止にもなります。IoTは積極的に活用して、現場の問題や改善点を解消していきながら、生産性向上を目指していきましょう。

今日のポイント

  • IoTとは従来インターネットに接続されていなかったモノをネットワーク化する仕組み
  • 企業や向上におけるIoTの活用事例7つは「位置」「作業」「場面」「数量」「危険」「稼働」「品質」で分類できる
  • IoTは企業や工場内だけでなく家庭や生活でも活躍している
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