業務の見直しの具体例7つ|基本・手順・アイデア出しの方法を解説
業務の見直しを行い改善点が明らかになると、生産性向上の糸口になります。製造業における業務の見直しでは、まず、現状の業務プロセスや作業手順などを可視化します。可視化したデータから、課題や問題点を洗い出し、改善活動を進めていくのが基本です。
ただし、漠然と業務の見直しといっても、具体的に何をどのようにしたらいいのかわからないという方が、多いのではないでしょうか。今回は、業務の見直しの具体例7つを紹介します。業務の見直しの基本・手順・アイデア出しの方法も解説するので、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
製造業における業務の見直しとは
製造業における業務の見直しとは、 日々の業務内容をより効率的かつ効果的な方法に改善することです。製造業では、目まぐるしく変化する市場や技術に対応し、競争力を高めていかなくてはなりません。
定期的に業務の見直しを行い、改善活動を実施することで、生産性向上と企業や業界が抱える課題や問題を解消していく必要があります。製造業において業務の見直しは、企業存続や成長を目指すうえで、欠かせないとても重要な取り組みです。
製造業の業務の見直しの具体例7つ
製造業において業務の見直しをするときは、 抱える課題や問題に対して、 どのようにアプローチするかを考えることが大切です。製造業の業務の見直しの具体例7つを紹介します。
ムダの排除
業務に潜む非効率な作業を洗い出し、排除することで、生産性を向上させます。
具体的には、7つのムダ(加工・在庫・造りすぎ・手待ち・動作・運搬・不良、手直し)の分析と改善などです。
作業手順書の作成
業務を標準化することでバラツキ低減を図るため、作業手順書を作成します。各工程の作業手順を図や写真付きでわかりやすく記載し、マニュアル化しましょう。作業手順や方法を統一し、誰でも同じ品質を生み出せるように業務内容を明確化することで、品質の安定化と属人化防止につながります。
ITツールの導入
近年のインターネット環境の向上やDX化の推進により、IoTやAI、生産管理システムなど、ITツールを導入することが、業務の見直しに大きな影響を与える要素となっています。
特に、生産管理、品質管理、在庫管理などの管理業務においてITツールの導入はとても有効です。そのため会社の状況に応じて、業務の見直しを図るうえで必要であれば、ITツールの導入を是非検討してみましょう。
レイアウトの改善
工場内の作業動線を効率化できるようレイアウトの改善を行えば、作業時間を短縮できます。具体的には、作業手順に沿った作業動線に見直したり、作業に必要な工具や部品を手の届く範囲に配置したり、 まずは現場の作業員が無理なく業務に取り組めるようなレイアウト改善から始めてみましょう。
品質管理の強化
品質管理が徹底されていないと、不良品が発生しやすくなるなど、生産性低下の要因になってしまいます。管理項目として重要な指標を重点管理項目として設定したり、 管理システムにITツールなどを導入したり、 品質の維持管理を継続して行えるような環境や仕組みづくりに取り組みましょう。
人材育成の強化
従業員の人材育成に力を入れることで、作業員としての能力やスキルが向上し、生産性が向上します。
具体的には、 人材育成を行うための環境づくりや、社内外での研修セミナー等の受講推進、資格取得支援などを行いましょう。
サプライチェーンの最適化
資材調達から製品出荷までのサプライチェーン全体を最適化できれば、リードタイムが短縮し、在庫の削減が実現します。サプライチェーンを最適化する具体的な方法は、サプライヤーとの契約内容見直しや、ジャストインタイム生産の導入などがあります。
自社の環境に応じて、ITツールなどを活用してサプライチェーンの最適化を行い、業務の見直しが図れるようであれば、積極的に取り組みましょう。
製造業における業務見直しの手順
製造業における業務見直しには、 基本的な手順があります。適切な手順に沿って、計画的に進めていきましょう。製造業における業務見直しの手順を詳しく解説します。
現状の振り返り
現状の振り返りでは、現在の業務内容を把握し、分析を行います。現状を把握するうえで、業務プロセスを可視化すると、分析しやすくなります。
作業場の不便や非効率業務の洗い出し
製造業において業務に潜む3Mなど、業務効率を阻害する問題やボトルネックとなっている工程などの洗い出しをします。このような業務効率を阻害する問題やボトルネック工程は、実際に改善すると具体的にどのような効果が得られそうかまでイメージできると、進めやすくなります。
改善目標の設定
現状の課題や問題解消の目標設定を行います。改善目標の設定はなるべく具体的に、数値などを用いて、客観的に判断できるようにするのがポイントです。
改善案の検討
具体的な改善案を検討し、改善活動のスケジュールを立案します。ヒアリングなどを通じて従業員から改善案を取り纏めたり、改善活動のグループなど小集団での改善の活動推進を行うなどの方法があります。また、改善計画は細かく、現実的なスケジュールを意識して作成しましょう。
改善活動
改善案と改善活動のスケジュールが決まったら、実際に改善活動を行います。経営層は、従業員が高いモチベーションで改善活動に取り組めるよう、環境づくりを行い、その工夫することが大切です。改善活動を行うことで得られる成功体験や業務の見直しによる効果を体感することが重要となってきます。
効果の検証
業務の見直しの改善活動は、効果検証が欠かせません。そのため改善効果の測定や評価の指標を明確化しておくことがポイントです。また、業務の見直しは、 PDCAサイクルを回しながら、継続的に進めていく必要があります。
一過性の取り組みとならないように、継続して新たなボトルネックを探し、改善活動を続けていきましょう。
製造業で業務の見直しのアイデア出しをする方法
製造業で業務の見直しのアイデア出しには、役立つ手法があります。フレームワークを積極的に活用し、体系的なアイデア出しを心がけましょう。製造業で業務の見直しのアイデア出しをする方法を紹介します。
ベンチマーキング
ベンチマーキングとは、他企業の優れた点を分析し、自社に取り入れることです。競合他社の業務の見直し成功事例や、改善活動の内容を参考にしましょう。
ブレインストーミング
ブレインストーミングとは、「集団発想法」のことです。複数人で会議の場を設け、自由に話し合うことで、アイデアを出す方法です。
様々な意見が飛び交うため、柔軟な発想ができたり、 すでにあるアイデアをブラッシュアップできたりするメリットがあります。アイデアの否定や判断、結論はNGとした上で、『質より量』を重視することが重要となってきます。
フレームワークの活用
アイデア出しのフレームワークを活用するのもおすすめです。中でも、「kj法」は断片的な意見やアイデアを効率的かつ論理的に整理できるフレームワークで、業務の見直しの改善案立案に役立ちます。
kj法では、付箋1枚ずつにアイデアを記載し、似たものをまとめていきます。特別なアイテムなどの必要がなく、気軽に取り組めるフレームワークとして活用されています。
業務の見直しは定期的に行うことが大切(まとめ)
業務の見直しを行うと、現場のさまざまな課題が洗い出されます。大切なのは、業務の見直しを定期的に行うことです。
改善活動を実施し新たなルールが定着すると、新たな課題も必ず生じます。業務の見直しを一過性の取り組み、完了するものと考えず、新たな課題がどこに潜んでいるか定期的に確認することが重要です。
フレームワークなどを活用しながら、社内で業務の見直しのアイデア出しが積極的に行われるよう、経営層は工夫をすることが求められます。
今日のポイント
- 製造業における業務の見直しとは、日々の業務内容を可視化し、より効率的かつ効果的な方法に改善すること
- 製造業の業務の見直しの具体例7つは「ムダの排除」、「作業手順書の作成」、「 ITツールの導入」、「レイアウトの改善」、「品質管理の強化」、「 人材育成の強化」、「サプライチェーンの最適化」
- 製造業における業務見直しの手順は、現状の振り返り→作業場の不便や非効率業務の洗い出し→改善目標の設定→改善案の検討→改善活動→効果の検証
- 製造業で業務の見直しのアイデア出しをする方法にはベンチマーキングやブレインストーミングやフレームワークの活用などがある
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