業務改革(BPR)の進め方と成功のポイント3つ【業務改善との違い】

業務改革の進め方は、まずは目標を明確化することから始めます。なぜなら目標(目的)が明確でなければ、業務改革を行う必要性が感じられず、円滑に進まない可能性が高いからです。

目標を明確にした上で、現状の把握と分析で課題や問題を洗い出し、優先順位を決めて変更後のフローを実施します。その後、成果が出ているか正確に判断するために、効果測定を必ず行うようにしましょう。

今回は、業務改革(BPR)の進め方と成功のポイント3つを紹介します。業務改善との違いも解説するので、ご参考にしてみてください。

業務改革(BPR)とは既存のやり方を見直し再構築すること

業務改革(BPR)とは、業務の既存のやり方を見直し再構築することです。

「Business Process Re-engineering」の略称で、「BPR」とも呼ばれています。業務改革と業務改善は混合されがちですが、明確な違いがあります。業務改革の最大の特徴は、根本的な見直しと再構築に重きを置いている点です。

そのため業務改善は現状の問題や課題を「改善」することに重きを置いていますが、業務改革は業務プロセスや組織体系を根本的に「改革」する活動を指します。つまり、業務改善は業務改革に含まれる活動であり、より狭義的な意味を持っています。

業務改革は、企業の目標を達成するために既存のやり方を見直し、抜本的に再構築することを目指します。

業務改革(BPR)の進め方

業務改革は、適切な手順に沿って進めることが大切です。目標を明確にしてから、最後は効果測定までしっかり行いましょう。ここでは業務改革の進め方を解説します。

目標を明確にする

業務改革をなぜ行うのか、目標(目的)を明確にすることは、最も重要といえます。最終的なゴールを明確にしなければ、改革活動に取り組む意義を感じられず、成果も小さくなってしまうからです。

そのため目標設定については「1年以内に資材のコストを20%削減する」「来期までに従業員の平均労働時間を30分短縮する」など、目標は数値で具体的に設定するようにしましょう。

現状を把握して分析する

業務改革の目標を達成するためには、現状を把握して分析することがとても重要になります。現状把握が曖昧であったり、分析が甘かったりすると、効果的な改革案を打ち出せません。経営層だけで取り組むのではなく、現場の声を大切にして正しく現状把握と分析を行いましょう。

問題や課題を洗い出す

現状把握した上で分析すると、次は潜在的に潜んでいる目標達成を阻んでいる問題や課題が浮き彫りになります。ここでは問題や課題の原因追及をして、ボトルネックとなっている部分を洗い出すことが大切です。

優先順位を決める

問題や課題が洗い出されたら、優先順位を決めます。優先順位はすぐに取り組めるものや、成果の高いものを基準に優先し、スピード感をもって容易に改革できる項目を意識して優先順位を決定しましょうそのためコスト、時間、成果の大きさなど、さまざまな要素を考慮して決めることがとても重要です。

新たなビジネスプロセスを設計する

優先順位が決まったら、優先度の高いものから改革案を立案していきます。業務改革は、根本的な見直しと再構築をするのがポイントです。新たなビジネスプロセスを設計し、現実的かどうかを慎重に判断して、実施準備を行いましょう。

変更後のフローを実施する

新たなビジネスプロセスの設計が済んだら、変更後のフローとして実施していきます。実施中に出てきた問題や課題は都度共有し、今後のフロー改善に活かせるようにしましょう。

効果測定をする

業務改革を進めるときは、最後のステップとして効果測定が必要不可欠です。効果測定を行わないと、主観的な判断や体感での成果が結果になってしまいます。
新たに生じた問題や課題に、気づけない問題もあります。

効果測定は必ず行って、PDCAサイクルを回しながら、継続的な業務改革を進めることが大切です。

業務改革(BPR)の成功のポイント3つ

業務改革を成功させるためには、必要性の共有、ゼロベースでの考案、スモールスタートの意識が重要になります。業務改革の成功のポイント3つを詳しく紹介します。

必要性を共有する

業務改革は、経営層と従業員が一丸となって、取り組まなくてはいけません。業務改革をなぜ行うのか、従業員一人一人に、必要性の共有を行うようにしましょう。必要性の共有ができていないと、従業員は取り組む意義が見出せず、非協力的になってしまいがちです。

日々の業務に追われてモチベーションが低くなる恐れがあるため、必要性と重要性は最初の段階で、しっかりと共有することが大切です。

ゼロベースから考える

業務改革は、ゼロベースから考えると、画期的なアイディアが浮かびやすくなります。業務改善のように、一部分を改善する取り組みではないため、根本的な改革を目指して従来のやり方を手放す勇気も必要です。そのため客観的な視点を意識すると、ゼロベースで考えやすくなります。

スモールスタートを意識する

業務改革の失敗例として多いのが、最初から大規模な施策に取り組んで、なかなか円滑に進まないケースです。大規模な取り組みは期待できる成果も大きくなりますが、各部門と連携したり承認を受けたりする必要があることが多く、実現するまでに時間がかかりすぎる問題があります。

初めて業務改革に取り組むときは、スモールスタートを意識してみましょう。
小さな成功体験を積み上げながら、少しずつ規模を拡大していくことをおすすめします。

業務改革(BPR)は目標を明確にすることから進めていく(まとめ)

業務改革は、既存のやり方を見直して再構築する抜本的な取り組みです。業務改善のように一部分だけの「改善」ではなく、ビジネスプロセスを再設計する大きな「改革」であることが特徴といえます。

業務改革を進めるときは、まずは目標を明確にすることが大切です。目標や必要性は経営層と従業員間でしっかり共有することで、取り組むモチベーションが高くなり、成功確率も上がります。業務改革はゼロベースで考え、まずは小さな成功体験を獲得できるように、スモールスタートを意識してみてくださいね。

今日のポイント

  • 業務改革(BPR)とは既存のやり方を見直し再構築すること
  • 業務改革の進め方は目標の明確化→現状の把握と分析→問題や課題の洗い出し→優先順位の決定→変更後のフローの実施→効果測定
  • 業務改革の成功のポイント3つは「必要性の共有」「ゼロベースから考える」「スモールスタートを意識」
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